インターネット:時間が思考力を奪う
2012年06月04日
「文学、芸術、思想、歴史などの教養は、確かに腹の足しにはならない。しかし、人は活字を通じてそれらに触れることで時空を超え物事の本質を見抜く大局観や人間観、長期的な視野を身に着けてきた。インターネットでは情報を“身に着ける”だけ。時空を超えるという点でも、活字ほどの深さがない。つまり、教養というものはインターネットでは身に着かないということだ」
平たく言えば「教養」とは人が生きるすべだろう。人生でぶつかるさまざまな問題を解決する手立てと言える。だが現代人は、その生きるすべさえ、すべてネットから引き出せるという感覚、いや錯覚に陥っている。教養がなくても生活に困らないのだ。
ただ、「文字を読む」という行為に限定していえば、電子書籍の普及という現実がある。活字の本と何が違うのだろうか。松岡さんが解説する。