『薄桜鬼』ダブル風間対談 完 全 版 !!

大変お待たせしました!!
池袋・サンシャイン劇場にて大好評のうちに終了しました
「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇」。
4月10日に発売した本誌5月号にて実現した、ミュージカル版風間役の鈴木勝吾氏と、
ゲーム・アニメ版風間役の津田健次郎氏の夢の風間対談を
本日は、雑誌掲載ではカットされた部分を追加して一挙公開です❤




舞台をご覧になった方もなれなかった方も、
これを読んでミュージカル『薄桜鬼』のDVDの発売を楽しみに待ちましょう!

――まず初めに『薄桜鬼』の世界観についての印象をお聞かせください。

津田氏:最初のゲームの収録は3~4年前ですが、乙女ゲームと言いつつも熱い男の生き様が描かれている話だなと思いました。幕末の話なので、武士たちが自分なりの正義を持って生きている姿が全面に出ていて、そこに美しい絵があります。血なまぐさい話になりがちな幕末の物語ですが、その中心に桜が描かれていることで、ただ美しいだけではなく散りゆく儚さもそこに加わって。男の理想とする世界観もこの作品に表現されていますね。

鈴木氏:ミュージカルに出演するにあたり、『薄桜鬼』のアニメを見させていただきました。津田さんがおっしゃるようにキャラクターが自分なりの正義を持っていて、その正義のぶつかりあいを描いている素敵な作品だと思います。

――ご自身が感じている風間千景にどのような印象を持たれていますか?

津田氏:孤高ですね。誇り高い鬼でありながら、状況によっては人間の手助けをせざるを得ないことにイライラすることもある。しかたなく人間に歩み寄りつつも、じつは精神的にはまったく歩み寄らず、我が道を1人で歩いている感じがします。強い信念を持ち、それを貫き通しているところが彼の一番の魅力ですね。

鈴木氏:「この役を舞台でやるのか…」と思ってアニメを見ていたので素直に作品を楽しめる状態ではなかったのですが(苦笑)、ものすごく存在感のあるキャラだと思いました。気がついたらいち視聴者として風間を見つめていましたし。こんな魅力あるキャラを実際に演じるので、僕は彼の存在感を大事したいと思います。また津田さんがおっしゃるように孤高さも出せたらいいなと思います。それにしても、風間をよく知ろうとおもってアニメを見ていたら、だんだんと津田さんの方も気になってしまいまして。

津田氏:そうですか(笑)。

鈴木氏:じつは昔からアニメが好きで(自分の)大好きなキャラクターを演じている津田さんだ! と思って(笑)。今日初めてお会いしたんですがすごく感動しました。それにお話していたら、会話の節々に風間が見えましたし。本当に声がステキです(笑)。

津田氏:ありがとうございます(笑)。




――鈴木さんにお聞きしますが、風間を演じるにあたり、津田さんに聞いてみたいことはありますか?

鈴木氏:風間の「芯」になっていることはなんだと思われますか? 津田さんはどう思ってらっしゃるかお聞きしたいです。

津田氏:いかに人に寄らないかです。マイペースというか、話すときは必ず自分のペースで話しますし、誰と相対するときも声のトーンは変えないですし。

鈴木氏:相手の反応を受けないってことですよね。

津田氏:あんまり受けると相手に寄ってしまいますから。あと、彼のベースには熱い男の一面があるのですが、それを表に一切出さないこと。

鈴木氏:だからこそ、そういう熱さが表に出た時の魅力が半端ないんですよね。

津田氏:風間はクールだけど、土方や斎藤も似たようなタイプ。似ているけれどその2人とは違う部分を出さないといけないし。

鈴木氏:ほかの2人と比べて異質なんですよね。

津田氏:人間じゃないからね(笑)。

鈴木氏:そういえば、以前、自分のブログで『薄桜鬼』のミュージカルに風間役で出演することになったことを書いたんです。そこで、風間は鬼だけれど人間に歩み寄ることもあると思いますし、ただクールな鬼、孤高の存在だけではなく少し感情が見えるような演じ方をしたいと思って「人間味がある」という表現をしてしまったんです。そうしたら、「風間は鬼ですから!」ってファンの方に怒られてしまって(苦笑)。

津田氏:(苦笑)

鈴木氏:当たり前なんですけど風間は鬼、という表現以外を使うのはNGなんだなと。今回、津田さんと対談させていただいて、風間というキャラクターに対する印象がズレてなくてよかったなと思いました(笑)。ちょっと安心しました。

――じつは印象が違っていた! だとこれから演じるのに大変ですよね。

津田氏:いやいや(笑)。僕が思う風間像というよりも、鈴木君には鈴木君なりの風間を作っていってほしいですね。

―――風間以外に、気になるキャラクターを教えてください。

津田氏:風間というキャラクターを作っていくときのベースになっているのが土方なんです。風間の目線からすると、最後に土方と対峙して彼に鬼の名をつけるというところが風間のクライマックスだと思うので…。だから、どうしても土方中心にいろいろなものを見てしまうんです。だから、土方が気になります。あとはもちろん、千鶴。風間はこの2人以外とはあまり関わらないんです。

鈴木氏:そうなんですよね。ほかに興味がないというか…。

津田氏:いや、興味がないんでしょうね(笑)。

鈴木氏:アニメのお話に戻ってしまうのですが、風間は土方の強さや自分とどこか似ているような部分を感じ取って、惹かれるんですよね。千鶴に興味を示すのはまた別の目的があるからですけど。だから、今回のミュージカルは「斎藤 一 篇」なので、彼と風間がどう対峙するのか、その感情面をどう表現すればいいのか…悩んでいます。

津田氏:僕も斎藤一との対峙を演じるのは難しいだろうなと思います。

――これまでなかった斎藤との対峙があるということで、ミュージカルでは風間の新たな一面を見ることができるかもしれません。

津田氏:きっとそうなると思います。『薄桜鬼』本編で平助や左之とは喋った記憶はありますが、斎藤と喋った記憶が実はあまりないんです。ドラマCDやイベントの朗読劇などではありますが…だから、どういう対峙の仕方するのか気になりますし、斎藤と風間の関係性がどう描かれるのか、楽しみではあります。

鈴木氏:本編中ではほとんど描かれない、2人の関係性を僕が構築していくと言いますか…。斎藤と対峙するとはいえ、土方への思いをすり替えちゃいけないし。

津田氏:そうだね。だからこそ難しいかもしれないけどね。最初、風間は千鶴に執着して追いかけ始めるんですけど、最終的には千鶴ではなく土方に執着して、戦うので…。

鈴木氏:そうなんですよね。

――土方への執着はどこから生まれてくるのでしょうか? 似た部分があるからこそ…?

津田氏:それはあると思います。幕末期には鬼という存在、鬼の一族郎党が追いこまれているのは間違いないんです。彼らは生き残るために薩摩と手を組むという道を選択するのですが、それでもだんだんと追いこまれていく。同じように、新選組も時代に波に飲み込まれて、やがて追いこまれる。そういうところに共感しているのかなと思うのと、それとは全く別に土方の折れない心と言いますか、侍の魂にロマンを見てしまったんだと思います。たぶんですけど、そういう感じはすごくします。

鈴木氏:そういう部分で人間味を感じるというか、鬼の冷徹さだけじゃない部分を持ち合わせているところが好きなんです。あ、人間味って言うと怒られちゃう。

津田氏:何て言えばいいんですかね(笑)。「熱」?

鈴木氏:「熱」ですか?

津田氏:「鬼熱」(笑)。

鈴木氏:すごい熱い感じがしますね(笑)。

津田氏:(笑)

――そういえば殺陣(たて)の稽古も順調に進んでいらっしゃるそうですが、稽古の様子はいかがですか?

鈴木氏:順調ではないかもしれませんね(苦笑)。殺陣はすごく難しいです。これまで特撮番組で刀を使いましたし、昨年は戦国時代を舞台にした映画でも刀を持って演じたので、刀を手にしながら演技をすることへの難しさや抵抗はないんですが、風間の戦い方は特殊すぎて…。どんな相手が来ようとも風間は余裕でかわすじゃないですか? 美しく戦いながら常に余裕があって、でも土方と戦うときは本気で。今までにない高度な技術が求められてしまうんじゃないかなと心配です。ですから、稽古では基礎から教えていただいていますが、風間らしさは型にはまらないところにあるといいますか、ほとんど片手で戦っていますからね。

津田氏:そう! 彼、本当に強いんだよね。

鈴木氏:圧倒的な強さを持つ風間らしさを殺陣でも出せるように、もっと稽古しないといけないなと思っています。

津田氏:でも、風間の強さを舞台で表現するのは、自分1人では難しいと思います。おそらく彼はすごいスピードで動きながら戦って圧勝しているんですよ。それを自分1人で演じるのは…それを受けてくれる受け手にどう対応してもらうかということが、すごい大きなことになるかもしれないですよね。

鈴木氏:そうですね。

――殺陣で風間らしさをとおっしゃっていますが、表情や声のトーンも風間でやらなくてはならないですから大変ですよね。

鈴木氏:そうですね。今まではがむしゃらと言いますか、未熟だけどがんばっているという役で殺陣をやらせていただいたので、これまで経験したことのない完璧な殺陣を求められると緊張します。でも完璧さがないと風間の説得力もなくなってきてしまうでしょうし。怖さというか、楽しみというか、ものすごくドキドキします(笑)。

津田氏:それに、アニメでは風間は必ず高いところから現れるし、高いところや壁の向こうに姿を消したり。そういう動きが多かったので、それはどう表現されるんですかね。

鈴木氏:どうなるんでしょうか? ほかにも風間は、彼が通り過ぎるだけで周りが倒れていくシーンなどもありますし。そういうことを考えると、自分1人だとできないですね。

津田氏:見せ方が大事になりますし。

鈴木氏:風間らしく見えるよう、がんばります!

――さて、お話は変わりますがお2人にとって「舞台」とはどのようなものでしょうか。

鈴木氏:僕は今回、2作品目の舞台です。ヒーローショーは100公演以上やっていますが、舞台はまだ未踏の地と言いますか、足を踏み入れたばかりなんです。演じるうえでは、テレビもヒーローショーも舞台も声優さんも同じ立ち位置なのかもしれませんが、僕はまだ形にとらわれているかもしれません。舞台だからテレビとは違うとか、多分余計なことをいろいろと考えてしまうので、そういうものを取り払ってちゃんとその役を演じきるというところにたどり着きたいです。僕としては怖さのある挑戦、ですね。舞台は生なので失敗してしまうとやり直すことはできないですし…でも、舞台だからこそ伝わるものがあると思うのでそこは楽しみです。舞台を見に来てくださった方がどんな反応をしてくれるのか近くで見れますから、僕の思いが伝わったのかどうなのかすぐわかりますし。見に来てくださった方からすると満足できない出来かもしれないですけど、少しでも「見に来てよかった」と思ってもらえたらうれしいですね。『薄桜鬼』が好きで、僕が好きで、他の出演者が好きで、いろいろな理由があって見に来てくださると思うんですけど、とにかく「来てよかった」「楽しかった」と思ってもらうために僕ができることは何でもやりたいです。ちなみに津田さんにとっての「舞台」とはどういうものですか?

津田氏:失敗するのが前提のものですかね。

鈴木氏:笑

津田氏:だって、これまでの舞台で何回セリフを飛ばしたかわからないですし、セリフを噛むのも普通ですから。だから、失敗してもしょうがないなぁと。もちろんパーフェクトに出来れば一番でしょうけれど。失敗しようがセリフを噛もうが、お客さんに楽しんでもらえればそれはいい舞台なんだと思います。

――失敗するのも生モノのも舞台らしいと言いますか…。

津田氏:それをどうリカバリーしていくのかという楽しみもあります。リカバリーできないときもありますけど(笑)。

鈴木氏:そうですね(笑)。

津田氏:ライブなので、ライブでしかできないことってなんだろうというのが一番大事だと思います。

鈴木氏:でも、僕が演じるのは完全無欠な鬼ですから、失敗はできないですよね(苦笑)。

津田氏:たしかに(笑)

――さて、ここまで津田さんとお話されてみていかがでしたか?

鈴木氏:原作のファンの期待や思いを十分に考え尽くしたうえで、最後は全部忘れて演じないと意味がないのかなと思いました。今日、お話いただいたことを自分なりに消化して、最後は「あ、こういう風間もアリかな?」というような風間を演じたいと思います。僕が作り出した風間が原作に近ければ成功だと思いますが、近くても遠くても「この風間は認めない!」ではなく「こういう風間もいいよね」と思っていただけることがベストかなと思います。

津田氏:その通りだと思います。ゲームやアニメと同じことを生身の人間がやってもしかたないですし…というか、できませんし(苦笑)。似ているところは似ているでしょうし、違うところは違う。どちらにしてもそれがおもしろければいいんです。舞台は舞台ならではの『薄桜鬼』の魅力、風間の魅力が出て、そこに鈴木君が演じることでの魅力が加わるわけですから、ステキなものが完成すると思います。




――では最後に、ミュージカル『薄桜鬼』と6月に発売のOVA「風間編」への意気込みをお願いいたします。

津田氏:これまでずいぶんといろいろなことをやらせていただきましたが、ミュージカルやOVA、映画とまだまだめじろ押しです。すべて『薄桜鬼』という作品を応援してくださるみなさまのおかげです。さらに盛り上がっていただけるよう全力を尽くしますので、今後ともよろしくお願いします。

鈴木氏:OVAで風間編があるそうなので、もしかしたら今後のミュージカルでも風間編ができるんじゃないかと期待しています。4月から始まるミュージカルは初公演ですので、なんとしても成功させたいです。原作を好きで見に来てくださった方にも満足していただけるよう本気でがんばります。それに『薄桜鬼』を知らない人がミュージカルを見て『薄桜鬼』を好きになってくれたらものすごく幸せです。ゲーム、アニメ、舞台とそれぞれのよさがありますので、これからも『薄桜鬼』を応援してください。

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公演概要

■タイトル: ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇
■脚本・演出・作詞: 毛利亘宏
■音楽: 佐橋俊彦
■制作協力: ジェイズプロデュース
■公演日程: 2012年4月27日(金)~5月8日(火)
■劇場: サンシャイン劇場(池袋)
■チケット価格:¥7.500(税込・全席指定)
■ 出演:
斎藤一:松田 凌 沖田総司:廣瀬大介 雪村千鶴:吉田仁美/
藤堂平助:池田純矢 原田左之助:小野健斗 永倉新八:宮崎秋人 山崎烝:天野博一 井上源三郎:森 大 不知火匡:柏木佑介 雪村綱道:江戸川卍丸/
天霧九寿:清水順二(30-DELUX)/風間千景:鈴木勝吾/土方歳三:矢崎 広

■製作協力: トライストーン・エンタテイメント
■主催: ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会(マーベラスAQL、マーブルフィルム、イープラス)

大好評のうちに終了した、ミュージカル『薄桜鬼』がDVDで甦る!
2012年9月21日発売決定!!
実写ならではの臨場感あるステージをあなたのお部屋でも味わえる▼
ストーリーはもちろん、役者さんたちの和装での立ち居振る舞いにも注目。

■【ミュージカル公式サイト】ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇
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※開催の詳細はミュージカル公式サイトをご覧ください。

(C)IF・DF/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会


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