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【福井発】

明確な首相表明 要求 大飯再稼働 細野原発相と知事会談

2012年6月5日

大飯原発再稼働に向け、西川一誠知事(右)と面談する(左手前から)牧野聖修経済産業副大臣、細野豪志原発事故担当相、斎藤勁内閣官房副長官=4日午後5時45分、県庁で(蓮覚寺宏絵撮影)

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「特別監視」に県参画

官房副長官「夏場だけ」を否定

 関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)の再稼働をめぐり、細野豪志原発事故担当相は四日、県庁で西川一誠知事と会談した。細野氏は再稼働時の特別な監視体制に県職員が加わるよう要請。西川知事はこれに応じ、再稼働に向けた態勢づくりは前進した。だが、知事は野田佳彦首相の明確な意思表示をあらためて求め、既に首相が表明したとする政府との溝が浮き彫りになった。 (梅野光春)

 会談は約五十分で、斎藤勁(つよし)官房副長官と、「特別な監視体制」で責任者になる見込みの牧野聖修経済産業省副大臣も同席した。細野氏は経産副大臣をトップに、原子力安全・保安院の幹部や関電の副社長を加えた監視体制に知事の理解を求めた。

 首相の意思表示で、西川知事は「福島のような事故を起こさないこと、原発は日本全体にとって重要であることを首相が訴えれば、県議会やおおい町の意見を聞いて地元判断をする」と表明。斎藤副長官は、野田首相は五月三十日の三閣僚との会合で、既に原発の重要性を国民に訴えたと説明し、議論は平行線をたどった。

 知事は会談後、記者団に「原発の必要性や経済の影響など、あらゆる点を明瞭に示すべきだ」と首相の説明不足を重ねて指摘。解消されない限り、地元判断をしない意思をにじませた。

 電力消費地の関西地区に対し、知事は「そもそも容認という立場にもないのに、夏場だけ、大飯原発だけという考えも出ている」と批判。斎藤副長官は「再稼働は夏場だけではないという姿勢に、政府として揺るぎはない。関西の理解もいただいたと考えている」と釈明に追われた。

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発言要旨

 【西川一誠知事】

▼四月以降、福井県民は国と消費地のやりとりに大きな迷惑感と不信感を持っている。

▼夏場だけ、大飯だけの稼働という意見もあるが、政府にはその通りではない、との考えを示してほしい。

▼「原発は重要、再稼働は必要」と野田首相が答えるなどの対応がなされれば、県民の理解を得る努力をし、検討を進める。

▼特別な監視体制には福井県が地元自治体として参画するので十分。隣接自治体には情報を丁寧に出したい。

▼使用済み燃料は預かる立場にあるわけではない。国、事業者、消費地を入れた検討体制をつくってほしい。

 【細野豪志原発事故担当相】

▼特別な監視体制には、福井県にぜひ構成メンバーとして参加してもらいたい。

▼監視体制では、滋賀、京都は何らかの形で関わってもらう必要がある。

▼使用済み燃料については消費地の皆さんにも考えてもらうことが必要なのではないか。

 【斎藤勁内閣官房副長官】

▼大飯3、4号機は夏場だけをしのぐ稼働とは考えていない。

▼原発は引き続き重要だとの総理からのメッセージは、ことある機会を通じて伝えさせてもらったつもりだ。

 【田中敏幸県議会議長】

▼原子力安全規制庁設置について早急にスピード感を持って取り組んでいただきたい。

 

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