今西 米国の新聞社の中でも高い知名度を誇るワシントン・ポストが、日本の一市長である橋下氏の分析記事を出したことに非常に驚きました。これはおそらく、橋下市長が今後国政に出て、重要なポストに就くと米国が見ている証しではないでしょうか。
中山 橋下氏が、僕は敵を作りたくないが、向こうから出てくると反論した部分ですが、私はそうは思いません。かつて橋下氏が大阪府知事選に出馬する際、応援してくれということで、1000人集会を開いて橋下氏を一生懸命応援したことがありますが、終わった後は「ありがとう」でもなかった。
橋下氏は自民・公明党の推薦を受けて出馬しましたが、当選した途端に一転して険悪ムードを演出した。憲政記念館で自民党の菅(義偉)氏に「自民党の地方分権のマニフェストは0点だ」と言ったのも覚えています。あれだけ菅氏にお世話になっておきながら、そこまでやるのかと思いましたね。
思うに、橋下氏はGNO(義理・人情・恩返し)が0点です。ちょっと冷徹すぎると思いますよ。もっと反省すべきだし、メディアもはっきりとモノを言う必要があります。
今西 かつて新聞側に身を置いていた立場から言わせてもらうと、今は橋下氏を敵に回したくないと考えるメディアも多いのではないでしょうか。
中山 あまり表に出ていない事実ですが、橋下氏の批判記事を書いた記者が次々と人事異動でいなくなっています。NHKや産経新聞、毎日新聞もそう。近畿エリアで一体、何が起きているのでしょうか。大阪の民主主義は死んだ、なんて言うとまた批判されそうですが。
今西 これまで、大阪発で全国に発信できる前向きなニュースがなかったんです。今は唯一、橋下氏の話題だけがある。そういう意味でメディアは重宝するでしょうし、批判的な記事を書いた記者を異動させることはあり得るんじゃないでしょうか。
中山 心配なのは、今のままでは日本の政治家が、国も地方も全部塾上がりや、チルドレンだらけになってしまうこと。例えてみれば鵜匠と魚を飲み込んでは吐かせられる鵜のような関係の政治家ばかりになったら、外交などでもなめられるだけだと思います。
『中山泰秀のやすトラダムス』 5月27日 24:00-25:00放送
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