香川(右)とぶつかりながら笑顔を見せる吉田(由木直子撮影)=埼玉県内で
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日本代表は4日、W杯アジア最終予選第2戦のヨルダン戦(8日・埼玉スタジアム)に向け、埼玉県内で練習を行った。前夜のオマーン戦は快勝し、先発組はクールダウンのメニュー。フル出場したDF吉田麻也(23)=VVVフェンロ=は昨年1月のアジア杯で自身が主役のドタバタ劇の末に引き分けたヨルダン相手に今度は快勝を誓った。先発以外の14選手は立正大と混成で練習試合(30分×2本)を行った。
夏を思わせる日差しが照り付けた埼玉県内のグラウンド。最終予選の快勝発進から一夜明け、緊張の解けた先発組は終始リラックスした表情で体をほぐした。オマーンをシュート1本で完封した守備陣も、手応えは十分。なかでも吉田は、因縁のヨルダンとの再戦に“絶口調”だった。
吉田にとって、ザック日本デビュー戦となった昨年のアジア杯初戦は忘れられない。前半終了間際に相手シュートが足に当たってコースが変わって失点。リードを許したまま突入した後半ロスタイムに起死回生の同点ヘッドをたたき込んだ。自作自演のドロー。試合後には、指揮官の激怒が待っていた。
「前回はほぼデビュー戦みたいな感じ。僕はオウンゴールとは思ってないですけどね」と吉田は苦笑まじりに振り返る。過去2戦して90分では2分け(うち1試合はPK勝ち)のヨルダンとの再戦。もうドタバタはご免。「追い込まれる前にきのうみたいに3点差をつけて勝つのが理想」と勝利を誓った。オマーン戦でも後半24分に惜しいヘッドを放っており「個人的にも点は取れると思う。取られる雰囲気はないです」とキッパリ。自信とも確信ともつかぬ不敵な笑みとともに、ゴール&完封を予告した。
「試合の後は眠れない」と、前夜は仲の良い内田とともに同組のヨルダン対イラクをテレビ観戦した。深夜の徹底分析で「サイドにスペースがある」「ボールウオッチャーになる」などと弱点を発見した。W杯3次予選初戦の北朝鮮戦でも後半ロスタイムに決勝弾をたたき込んだ吉田だが、ハラハラドキドキの“麻也劇場”はもういらない。冷静沈着、かつ早々に、得意のヘッドでヨルダンを沈める。 (宮崎厚志)
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