目標額は彼女が大学に通い続けるのに必要な約112万円のうち、75%に当たる約87万円。残りの25%はアルバイトなどをして「自分で稼ぐ」のがルールだ。目標額は2日で達成。最終的には195人の個人サポーターから97万5000円が得られた時点で募集は打ち切られた。ところが時を同じくして、彼女は通っていた早稲田大学を学費未納で中退になっていたことが発覚。この事実を発火点とし、スタディギフトのサイトは炎上していった。
■「詐欺」と断罪する厳しい声も
女子大生と見られていた女性は18日、スタディギフトのお知らせを通じて「既に退学となっていた」こと、「学費のメドがたち次第、復学できると学部事務所から説明を受けていた」ことなどを明かした。同時に支援募集の文言を「大学を中退になりそうな状態」から「学費が支払えず退学になるという状態」に書き換えるなどの修正も行った。しかし、延焼は止まらない。
「学費を納付したとしても『復学』ではなく『再入学』扱い」「再入学は大学の審査次第で、支援金が集まっても復帰できるとは限らない」「成績低下が理由で奨学金が打ち切られた学生を支援する必要はあるのか」「目標額を超えても支援金を集め続けたが、超えた分は何に使われるのか」……。こうした指摘をするブログ記事などが次々と出現。「すでに退学になっている大学の学費を『退学になりそう』といって集めたのは詐欺」と断罪する厳しい声も噴出した。
スタディギフトは23日、「彼女は昨年、早稲田大学を退学となっていた」事実を認めたうえで、誤解を招く可能性があったことなどをわび、希望する出資者には全額返金する旨を公表した。それでも騒動は収まらず、ついに28日、スタディギフトはサイトの活動自体を停止し、希望にかかわらず集めた支援金を全額返金することを決め、ようやく鎮火へと向かった。
だがネット上では今でも批判がくすぶり続けている。再開のメドはついていない。いったい、どうして活動停止に追い込まれるまでの事態となってしまったのか。
■「彼女ありきのサービス」、ストレートに表現
「まずは事実と違う表記など、こちらの確認不足が大きい。そこにシステムや人選に関する批判など、いくつかの批判が複合的に重なってこうなってしまった。ある程度の物議を醸すかなとは何となく思っていました。批判もされないようであれば、評価してくれる人もいないだろうと。でも、ここまでとは……」
家入氏がこう率直に語るように、事実関係のミスが大きかった。リバティーのメンバーで、スタディギフトの企画を発案した著名ブロガーの「ヨシナガ」こと吉永龍樹氏(33)は、「彼女の在籍証明を取るなどしっかりと確認をしなかったのは本当にミス。ただ、本人も極めて曖昧な状況で認識しており、故意に退学を伏せていたわけではない」と説明する。
スタディギフトは活動停止までに、正しい表記に改めるなど5回以上の更新・修正を行った。しかし次は「彼女個人を支援するサイト」に見えてしまったことが油を注ぐ。
もしもスタディギフトが、彼女の支援だけでなく、彼女も含めた5人や10人の支援募集から始まっていたら、結果は変わっていたかもしれない。
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5月28日、学生の学費を一般から募る支援サイトが、支援金の全額返還と活動停止を発表した。サイト開設からわずか11日のことだった。ある“女子大生”の支援金募集を始めたところ2日で約100万円を集めたが…続き (6/5)
各種サービスの説明をご覧ください。
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