菊地容疑者、高橋克也容疑者と「一緒に生活していた」

　地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕された元オウム真理教信者菊地直子容疑者（４０）が警視庁の調べに、特別手配中の元信者高橋克也容疑者（５４）と川崎市内のアパートなどで一緒に生活していたと供述していることが４日、分かった。

　警視庁は同日、菊地容疑者をかくまったとして、犯人蔵匿の疑いで自称会社員高橋寛人容疑者（４１）を逮捕。高橋寛人容疑者は約２年前、菊地容疑者らが以前住んでいた川崎市幸区のアパートの部屋で高橋克也容疑者に会ったと供述した。

　その際「逃亡生活の話を聞いた」としており、警視庁が４日、このアパートを調べたが、高橋克也容疑者の所在は確認できなかった。捜査関係者によると、高橋容疑者は「サクライ・シンヤ」の名前でこのアパートに入居し、２００６年ごろまで菊地容疑者と同居していたとみられる。

　捜査本部によると、菊地容疑者は１９９５年３月の教団への一斉捜索後、林泰男死刑囚（５４）と逃亡。その後、高橋克也容疑者と一緒に逃げ、横浜市や川崎市のホテルを転々とした後、川崎市のアパート２カ所で同居。０６年ごろに川崎市を離れ、横浜市の職場で知り合った高橋寛人容疑者と東京都町田市で一緒に住むようになった。

　高橋克也容疑者は、９６年１１月まで埼玉県所沢市のアジトに菊地容疑者らと潜伏していたのが確認されていたが、その後の足取りはほとんど分かっていなかった。警視庁は高橋寛人、菊地両容疑者が高橋克也容疑者と最近も連絡を取り合っていた疑いがあるとみている。

　菊地容疑者が相模原市の潜伏先近くで「櫻井千鶴子」の偽名を使い、介護ヘルパーをしていたことも判明。勤務していた相模原市内の介護関係の会社によると、同容疑者は１０年８月から働き、今年１月にはヘルパー２級の資格も取得、逮捕当日も働いていた。

　警視庁は４日、築地署に捜査本部を設置。菊地容疑者が潜伏していた相模原市緑区城山の高橋寛人容疑者宅を家宅捜索し、「櫻井千鶴子」名義のキャッシュカードなどを押収した。

　一方、菊地容疑者と４日に面会した滝本太郎弁護士（５５）は同容疑者が松本智津夫死刑囚（５７）＝教祖名麻原彰晃＝について「もう麻原さんを信じていない」と帰依を否定し「警察にはすべて正直に話している。長い間逃げていて申し訳ありません」と話したことを明らかにした。

　高橋寛人容疑者は菊地容疑者について「０５年ごろに知り合い、半年後に本人と分かった」と供述。町田市で約４年、その後相模原市で同居していたと話している。

（2012年6月5日00時00分スポーツ報知）