野田佳彦首相は4日の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機の再稼働について「日本経済・社会全体の発展のために再稼働は必要との認識だ」と明言した。首相は地元の福井県の同意が得られ次第、週内にも自らと藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相を交えた会議を開き、再稼働を最終決定する。
首相は「立地自治体の理解が得られるなら最終的に関係閣僚との会合で判断する。その判断の最終責任者は私だ」と述べ、自身が再稼働を決める政治判断の責任を負うことを強調した。同時に「二度と事故を起こさない決意で安全対策には万全を期す」と訴えた。
■福井に原発相
首相はさらに同日夕、大飯再稼働を巡って細野原発事故担当相、斎藤勁官房副長官らを福井市に派遣した。細野氏らは福井県庁で西川一誠知事と会い、国が取り組む原発の監視体制について、経済産業副大臣ら政務三役を地元に常駐させることを正式に伝えるなど、再稼働に向けた地元との詰めの調整を続けた。
首相の記者会見での発言や細野氏らの福井への派遣は、かねて首相に「先頭に立って指揮をとってほしい」と求めていた西川知事に対する「返答」の意味合いがある。
ただ、知事がこのまますんなりと再稼働を受け入れるかどうかはなお不透明な点もある。
知事は4日、細野氏らとの会談後の記者会見で「(再稼働の判断のボールは)国にある」と発言した。さらに「国民にしっかり目を向けて、首相が原発の意義や再稼働の意味などについて国民に向けて責任をもって意見表明をすることが重要だ」と重ねて求めた。
内閣再改造の説明のために開いた4日の首相の記者会見での発言では、原発の意義を国民に語りかけるメッセージとしてはなお不十分だとの認識を知事は示したとみられる。斎藤氏は知事との会談後、記者団に「首相がどういう判断をするのか相談したい」と語り、知事の要請を持ち帰って検討する考えを示した。
■限定は考えず
知事は会談で大阪市の橋下徹市長が求める期間限定の再稼働について「そういう方針ではないという揺るぎない考えを示してほしい」とも要請。斎藤氏が「夏をしのぐだけの限定的稼働とは考えていない」と打ち消す場面もあった。
細野氏は知事との会談後、記者団に「政府としての考え方はしっかりと説明できた。県の判断を見守りたい」と述べた。
福井県は今後、県原子力安全専門委員会を早ければ週内にも開く。再稼働に向けた報告書を取りまとめ、知事に提出する。知事はおおい町の時岡忍町長と県議会の意向を踏まえ、国に再稼働了承を伝える見通しだ。
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