◇楽天3−1広島
楽天が連敗を3で止めた。新人の釜田は要所で踏ん張り、7回途中1失点で2勝目。打線は2回に枡田の一ゴロと小山桂の犠飛で計2点を先行。6回は枡田の適時二塁打で加点した。広島は打線が振るわず、連勝が3で止まった。
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勢いは仙台に場所を移しても変わらなかった。楽天の先発・釜田が初めて登ったKスタ宮城のマウンドで躍った。鋭いスライダーを武器に6イニング2/3を3安打1失点。7回は投げきれなかったが、エース・田中もできなかった楽天の高卒新人では初となる本拠地初登板初勝利を達成した。
「本拠地初戦で勝つことができて、本当にうれしい」。釜田の顔に自然と笑みが浮かぶ。チームの連敗を「3」でストップ。「自分の投球をしようと思っていました」と振り返る姿にはローテ投手の風格が漂っていた。
田中の“金言”を胸に秘めてのマウンドだった。1日の投球練習でスライダーが思うように投げられなかった釜田は、臆することなく田中にアドバイスを求めた。答えは「投げたい方向へしっかり腕を振って投げる」というシンプルなもの。エースの言葉で、釜田は宝刀への自信を取り戻した。
だからこそ、4回に迎えたピンチで迷うことはなかった。1死満塁で広瀬を149キロの直球で空振り三振に抑えると、堂林には「絶対に打たれないと思って」3球ともスライダーを選択。最後は外角へ滑る球で空振り三振に仕留めた。窮地を切り抜け、田中のようにマウンドでほえた釜田はガッツポーズ。星野監督も「満塁をよく、しのいだ」と合格点を与えた。
もちろん、今後の課題は分かっている。星野監督は「7イニングをしっかり抑えたら褒めたい」と注文を忘れなかったが、釜田も「7回まで投げられなかったことは悔しい」と気を引き締めた。目標は田中が1年目で挙げた11勝と新人王。杜(もり)の都の“新背番号21”は、さらなる高みを目指していく。 (川越亮太)
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