日本の法人税率は高い?
平成19年から定率減税が廃止されました。そもそもこの定率減税は、1999年に「恒久的な税制改革」として導入されたものです。具体的には、所得税と個人住民税を減税することで景気回復を期待するということ。しかしこの定率減税の廃止によって、税負担は再び増えたことになります。
一方、定率減税と同時に導入された法人税の引き下げの方は据え置かれたままです。このことについての政府は、「諸外国と比較して、日本の法人税率の負担は高いから」という見解を示しています。
しかし法人税率だけを取り出して比較するのは偏っています。社会保険料の負担も考え合わせると、日本の法人負担は必ずしも高くないという指摘もあります。
法人税引き下げのメリットとは、日本の生産工場が海外に流出するのを食い止め、雇用拡大につながり、家計が潤い、結果経済が活性化する、という論旨のようです。
しかしだからといって、庶民増税ばかりが促進されていい理由にはならないのではないでしょうか。