憂楽帳:歯痛
毎日新聞 2012年06月02日 西部夕刊
奥歯が痛み、約5年ぶりに歯科医の門をたたいた。歯周病の疑いがあり、患部のレントゲン写真を撮影後、全ての歯で6カ所ずつ歯茎との間の溝の深さを検査された。
溝の深さはミリ単位で分かった。特に奥歯の値が大きく、今回の痛みの一因となった可能性があるらしい。溝が5ミリ以上になると赤信号だが、私の奥歯は上下ともほとんど赤信号状態。「奥歯は歯ブラシが届きにくいが、しっかり磨きましょう」と歯科衛生士から歯磨き方法まで指導された。
歯周病は、昔風に言えば歯槽膿漏(のうろう)。最大原因は磨き残しだ。その中には細菌がいっぱいで、歯茎との溝に入り込んで炎症を起こし、次第に歯を支える骨を溶かしてしまう。40代以上が歯を失う場合の大半は歯周病だとか。失われた骨は二度と戻らないし、患部が相当悪化するまで自覚症状が出ない。しっかり歯磨きすることが、歯周病予防の第一歩となるのは間違いない。
あさって「6・4」は虫歯予防デー。中高年には虫歯以上に怖い歯周病は「人類史上最も感染者が多い感染症」として、ギネスの世界記録にもリストアップされているという。【関野弘】