相続税の良い面、そうでない面
スウェーデン、イタリア、カナダなど、相続税を廃止する国がありますが、相続税を廃止することで何かメリットのようなものがあるのでしょうか。
日本では非課税対象項目や基礎控除額を設定したりして、たいていの人に相続税が課税されないようにされていますが、申告対象となる人もいます。
相続税を廃止もしくは制定しない場合、財産は全てそのまま相続人に引き継がれることになります。
このように全て引き継がれることの良い点として、引き継いだ人が没落しない限り、歴史的価値のある美術品や建造物が次代に残っていくことがあげられています。
日本でも戦前までは、家督相続が行われていました。
特に何代も続いている商店などにとって家督相続というのは、先代である父親から相続するものは一個人の家だけではありませんでした。
「かまどの灰まで」と言って家屋や家財も含めて、商店の得意先など全てのものを相続し、散逸や衰退をさせることなく発展させるという、義務に似たものを相続者に負わせる面があったと思います。
このように相続税がなければ全てをそのまま引き継ぐことができるので、次代への継承ができますが、高額な相続税を支払う義務が発生することによって、代々継承されてきたものがなくなる可能性が出てきます。
しかし相続税を課すことによって、富裕層とそうでない人との格差を軽減するということや、一個人の財産の継承だけではなく公的なものに役立てるという面が生じます。
相続税を課すことの良い面、また課さないことの良い面、相続税というのは考えていくと、なかなか奥が深いですね。