遺言の無効
基本的になくなった人が遺言を残していれば、それは法的に有効とみなされます。しかしまれにですが、遺言の能力自体が否定されて、無効となるケースもあります。遺言を残した人がどのような状態にあったのか、遺言書を作成したときに、どのようないきさつがあったかによって、遺言自体が否定されることもあります。
裁判の事例では、脳溢血で倒れた老人が、遺言書を公正証書で残しました。しかし脳溢血の影響などによって、中程度の認知症を発症していて、ただしい物事の分別・判断をすることができないと判断をされ、遺言自体が無効であるという判決が下された事例があります。
また肝硬変および肝がんで入院をしていて、こん睡状態にあった人が遺言書を作成した場合にも、遺言書の効力が認められないという事例もあります。
つまり、遺言を残したとされる人物の意識状態がかなり低下をしている場合に作成された遺言書については、本人の意思が必ずしも正確に反映されているわけではないというふうに判断されることが多いようです。