内閣改造:防衛相に森本氏 長官時代含めて初めて民間人
毎日新聞 2012年06月04日 11時45分(最終更新 06月04日 13時39分)
野田再改造内閣の防衛相に4日、森本敏拓殖大大学院教授(71)が決まり、前身の防衛庁長官時代を含めて初めて民間人が防衛相に就任することになった。軍事的な台頭が著しい中国や北朝鮮情勢への対応、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題など課題が山積する中での民間人防衛相起用に、野党は反発している。
野党からは、森本氏の見識を認めながらも国防の責任者として政治家が責任を負うべきだとの批判が噴出した。自民党の石破茂元防衛相は毎日新聞の取材に、「防衛庁時代から大臣や副大臣の民間登用は一度もなかった。選挙で選ばれた政治家が責任を負う不文律が存在したからだ。森本氏の見識は比類ないが、このポストでの登用はいけない」と疑問を呈した。
防衛省内部からも「民意を受けていない人の命令で自衛隊が動けるのか」と不安視する声が出ている。同省幹部は「政権に基盤がなく、政策を進めていく『重み』が期待できない」と指摘したうえで、停滞する普天間問題を念頭に「沖縄からは『なぜ身内を出さないのか。本気でやる気があるのか』と思われかねない」と懸念する。
民主党が掲げる「政治主導」に矛盾するとの批判も出ている。