内閣改造:森本氏の防衛相起用 沖縄は期待と不安
毎日新聞 2012年06月04日 12時34分(最終更新 06月04日 12時42分)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡って政府と対立する沖縄県では、安全保障論を専門とする森本敏・拓殖大大学院教授の防衛相起用に期待の声もある一方、「専門家だけに県内移設を強行してくる恐れがある」と警戒する声が上がった。
普天間飛行場に隣接する新城区自治会の与那覇政勇会長(63)は「誰が防衛相になっても沖縄の現状は変わらない」と突き放す。その上で「民間人と言っても森本氏は自衛官や外務省の出身。安全保障論の専門家だけに、国益のためには沖縄県民は我慢すべきだとして普天間飛行場の県内移設やオスプレイ配備を強行しかねない」と懸念を示した。
普天間爆音訴訟団の石川元平副団長(74)も「安全保障論が専門の森本氏は沖縄に日米安保の犠牲を押しつけてきたヤマト(本土)の論客の一人。素人の田中直紀氏から玄人への交代だが、沖縄県民の思いに逆行する人事であり、極めて遺憾だ。ますます沖縄を巡る現状は悪くなる」と憤りを隠さなかった。