内閣改造:防衛相に森本敏・拓殖大大学院教授を起用
毎日新聞 2012年06月04日 11時43分(最終更新 06月04日 13時49分)
野田佳彦首相は4日、内閣改造を行い、参院で問責決議を受けた前田武志国土交通相と田中直紀防衛相を含む5閣僚を交代させる。防衛相の後任には、民間から初めて森本敏拓殖大大学院教授(71)を起用した。首相は同日午後、首相官邸で記者会見し、消費増税法案成立へ向けた布陣の強化として閣僚名簿を自ら発表した。皇居での新閣僚の認証式を経て、野田再改造内閣が発足する。
防衛相に民間人が起用されるのは、防衛庁長官時代を含めて初めて。森本氏は自衛官出身で、外務省職員の経験があるものの、国会議員ではない。自民党政権時代、在日米軍再編など安全保障政策のアドバイザー役を務め、09年には防衛省で続いた一連の不祥事を受けて新設された防衛相補佐官に就任したが、政権交代により1カ月で退任した。
昨年9月に発足した野田内閣では、防衛相に起用された一川保夫、田中直紀両氏が続けて「安全保障の素人」と批判された経緯があり、安全保障政策に詳しい森本氏の起用となった。国の安全保障を担う枢要なポストに、国民の選挙で選ばれていない民間人を起用することには早速、野党などから批判の声が上がっている。