河本準一さん一族の生活保護受給問題に続いて、同じ吉本興業所属キングコング梶原雄太さん
母親の生活保護受給も問題視され、報道や記者会見が続いた。素朴な疑問として、
「貧乏芸人は多いのに、なぜ吉本ばかり」と思うのが普通の方では。
こちらは事実のフレームワークがたいへん興味深い。いやつまり。
マンションを購入。母親を住まわせる
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マンションは親戚が担保として使い、梶原さん本人は「自分の意志で売却できない」結果に
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マンションローンが月40万円で、梶原さん本人は「扶養の余裕が無い」形に
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母親が生活保護申請。息子は3人いるが、とりあえず年収2000万円(推定)芸人の梶原さんは、上記ふたつの理由から生活費援助が無理と主張
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生活保護受給が認められる
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結果、「母親はマンション住まいを満喫しながら生活保護受給」という事に
うーん……。
これを見ると、
「入れ知恵されてるだろ。生活保護受給ポイントを熟知した誰かに」などとネットで噂が出るのは、仕方ないのでは。なかなか巧みな「財テク」だ。「では誰が入れ知恵を」と考えるのかなあ、皆さん。
こちらの記事では、
背景として「吉本ファイナンスからの借金」の可能性を指摘している。
はあこちらでは、その
「吉本ファイナンス」に反社会勢力が食い込んでいる可能性を挙げておられます。
いずれにしろ、
「年収五千万でも生活保護! 職業が不安定なら生活保護! ローンがあれば生活保護! 吉本興業芸人が成功した財テクを今みんながやり始めている。お前らも福祉事務所に急げ!」的
煽り記事が乱舞してしまったのは、仕方ないのでは。
実際、頭に紹介した記事でも、全国の福祉事務所に「梶原がOKなら俺もそうする」的問い合わせ殺到中だそうだ。なんとかこれを奇貨に生活保護認定が正常化され、受給金額や特典の面でも勤労者や年金生活者との「実質収入逆転現象」が解消されることを祈るよ。
すべての日本国民は、「健康で文化的な最低限の生活」を、憲法で保証されている。そのための生活保護だ。しかし河本準一さんの母親のように「生活保護をもらいながらビジネスクラスでハワイ旅行(日刊ゲンダイ)」は、明らかに「健康で文化的な最低限の生活」を逸脱している。「最後のセーフティーネット」のはずの生活保護が「財テク」になってしまっている現状は、悲しい皮肉だ。
私も父親に生活保護受けさせるか(笑)。ローンの残っている自宅を私の名義にすればいいんだろ? その「収入」で、父親とハワイにビジネスクラスで遊びに行くわ。
記者会見では、「正直、不正受給という感覚はありません」と梶原さんはおっしゃっていた。そりゃ「福祉事務所に受給を認められた」という意味ではそうかもしれないけれど、そりゃ「福祉事務所が不正な状況を見過ごしてしまった」レベルの話だろうに。「生活保護=財テク」論をどう考えているのか、彼に聞いてみたいところだ。
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出版社の編集者。出版業界の実態について執筆している。