2008/6/6 金曜日...11:39 PM
Suica開発者・椎橋章夫氏講演会 @埼玉大学 (中)~リーダライタの傾斜は13度~
6月5日に埼玉大学で開かれた、Suica開発者・椎橋章夫氏の講演会に参加してきました。
「IC乗車券 ”Suica”の開発と展開戦略」― 新たな社会インフラ創造への挑戦 ―」と題されて、行われたものです。
前回は、Suicaが全国統一名にならなかった理由とSuicaがICカード乗車券であるがゆえのデメリットについて記載しました。
Suica開発者・椎橋章夫氏講演会 @埼玉大学 (上)~「PASMO」は「パスネットSuica」になるはずだった~
今回は、講演会で明らかになったSuica導入へのプロセスについて書こうと思います。
リーダライタの傾斜は13度
Suicaの開発は、国鉄が民営化した1987年ごろから始まりました。
1997年に技術が確立し、実用化にめどが立ち、2001年にサービスが開始されました。
開発段階では、3回の実証試験が行われました。
実用化にあたり問題になったのが、リーダライタの置き方です。
水平(よこ)に置くべきか、垂直(たて)に置くべきか。アンテナカバーのデザインはどうすべきか、、、
試行錯誤の末、現在の形にたどり着きました。
リーダライタは水平に置き、縦傾斜させ、アンテナカバーのデザインは円にし、光るようにしました。
リーダライタの縦傾斜の角度は13度で、角度をつけることで改札を通りにけるスピードを落とす効果があるようです。
なぜデポジットがとられるのか
現在、Suicaカードを購入する場合、500円のデポジットが取られます。
Suicaサービスを始める際、デポジットをとるか問題となったそうですが、ICカード乗車券がすでに導入されていた、香港と韓国を比較して、デポジットを取ることに決めたそうです。
香港のオクトパス(八達通)のデポジットは800円ほど、一方の韓国のICカード乗車券は無料(現在は有料)でした。
韓国を現地調査したところ、ゴミ箱や地面にICカード乗車券が捨てられていたそうです。
環境面や大事に使ってほしいとの願いから、デポジットを徴収し、使い捨ての防止を図ったそうです。
デポジットの総額は、(500×2000万枚=)100億円ほどですが、会計上は預かり金となっているそうです。
色が付いていないお金なので、さまざまなところに使われますが、年度末には預かり金として再度計上されているとのこと。
デポジットのほとんどがFeliCaカード代に消えるそうです。
参考までに、ニューヨークを訪れた際、地下鉄の駅の地面には、多数のMetroCardが落ちていました。有効期限があるものの、期限内なら何度でもチャージできます。ニューヨークの地下鉄が単一料金制をとっているため、入札時にしかカードを通さないことも考えなくてはなりませんが、使い捨て防止になっているのは間違いないでしょう。
チャージにカードを券売機に差し込む理由とは
Suicaカードにチャージする場合、券売機でチャージする必要があります。
チャージする時に、券売機にカードを差し込むことになりますが、なぜカードを挿入するしくみになったのでしょうか。
サービス開始にあたって、メンテナンス費が抑えられることから外付けのリーダライタの考えられそうです。
しかし、外付けの場合、チャージ漏れが発生するおそれがあり、客からの苦情を避けるため、確実にチャージができる挿入式を導入したそうです。
外付けのリーダライタは海外のICカード乗車券で多く採用されています。
その一例が、ボストンの「ChalieCard」。
現地取材でも感じたごとですが、リーダが地面と垂直に券売機に張り付いており、右手でカードをリーダにかざし、左手でディスプレイを操作するのは難しかったです。
どのタイミングでチャージされるかもわからず、本当にチャージされるのか心配になったのを覚えています。
(緑のLEDがあるところがリーダライタ)
ボストン「チャーリーカード(Charlie Card)」取材記
日本では挿入式が定着しましたが、新たな問題が起きています。
モバイルSuicaです。
おサイフケータイを券売機に差し込むことはできませんから、目の前に券売機があってもケータイを操作してチャージをしなければなりません。オートチャージもできませんから。
券売機の扱いをどうするかが今後の課題です。
人々が券売機に並ぶ理由が、きっぷを買うことからチャージ目的へと変化していると考えます。
きっぷを買う人は減少しており、JR東日本も券売機の数を減らしているそうです。
Suicaの利用率は70%ですが、90%ぐらいになったら券売機や改札のスペースの大胆な改革を行うようです。
次回は、Suicaの今後の展開について取り上げたいとおもいます。
Suica開発者・椎橋章夫氏講演会 @埼玉大学 (下)~Suicaウォッチはすでに完成~
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