地下鉄サリン事件で特別手配され、3日に逮捕されたオウム真理教の菊地直子容疑者(40)。潜伏していたのは相模原市緑区の津久井湖のすぐ近くにある2階建ての物置のような建物だった。同容疑者は手配写真に比べ、かなり痩せており、素直に任意同行に応じたという。
「相模原市内の戸建て住宅に、菊地容疑者に似た女性が住んでいる」。東京・霞が関の警視庁本部を訪れた人物が情報を寄せたのは同日午前。駆け付けた捜査員が住宅前に張り込んでいたところ、同日午後8時ごろ、同容疑者とみられる女が帰宅した。
女は紫色のトレーナーにズボン、茶色のスニーカー姿。痩せた体形で、化粧をしている様子だった。コンビニのものとみられるポリ袋を持っていたが、身分証などは持っていなかったという。右の目元には、同容疑者の特徴とされるほくろがあった。
捜査員が「菊地か」と問い掛けると、女は「はい」と認め、素直に捜査車両へ乗り込んだ。車内では母親の名前などをよどみなく話したといい、指紋から同容疑者本人と確認された。
近所に住む女性(72)は「(菊地容疑者を)見たことはないが、報道を聞いて動悸(どうき)がしている」と驚いた様子。重機会社の物置を改造して、人が住んでいた感じだったといい、「確か、ごみ当番の回覧板が『高橋』の名前で回っていた」と話した。
1995年4月から12月にかけ自宅を建て替える際、この物置の1階にある部屋を借りたことがあるという近くの男性(77)によると、部屋は風呂と台所、トイレ付きで、広さは約15畳。菊地容疑者について、「今思えば、たまに見たことがある。控えめな印象だった」と述べた。さらに男性は「2年ぐらい前から、男性と一緒に住んでいたので、普通の夫婦だと思っていたが…」と言葉少なに話した。