ハローワーク職員による職歴情報の漏えい事件で、愛知県警捜査二課などに国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された神奈川労働局「ハローワーク横浜」非常勤職員、西沢えみ容疑者(47)が、不正取得の依頼を受けたその日のうちに端末で検索し、調査会社役員の藤田利恵子容疑者(51)=同法違反(唆し)容疑で逮捕=に漏えいするケースがあったことが、関係者への取材で分かった。
各地の探偵会社に職歴の取得依頼があってから、三〜四日程度で判明する「スピード回答」。午前中に探偵会社が発注し、その日の夕方に西沢容疑者が照会していたケースもあったらしい。情報漏えいが常態化し、依頼を受けてから迅速に回答が伝わる仕組みが出来上がっていたとみられる。
逮捕容疑では、昨年十一月初旬、南関東に住む女性二人と福岡の男性一人の職歴情報を漏えいしたとされる。依頼主が別々の探偵会社に頼み、愛知県内などの業者を経て、依頼を集約していた調査会社(登記上は東京都練馬区)に届けられ、そこから藤田容疑者に発注されていた。各依頼はすべてファクスで伝えられたとみられる。
西沢容疑者は、藤田容疑者から携帯電話メールで「仕事」を受け、検索結果を藤田容疑者にファクスで回答。依頼とは反対の流れで、調査会社などを経て探偵会社に届けられた。発注元の探偵会社からも依頼者にすぐに伝えられたとみられる。
県警は一、二の両日、ハローワーク横浜など約二十カ所を捜索。西沢容疑者が担当していた雇用保険の「資格得喪届」などを押収した。
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