第70期名人戦:第5局 将棋盤裏に大山康晴と加藤一二三の名前
名人戦第5局に使われている将棋盤の裏には、第11期王将戦第3局で対局した大山名人と加藤八段の名前がある=ウェスティン都ホテル京都で、竹内紀臣撮影
ウェスティン都ホテル京都(京都市東山区)で行われている「第70期名人戦七番勝負」(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)第5局。会場や前夜祭の準備を担当する同ホテル宴会セールス課課長の田村博己さん(59)は、森内俊之名人(41)と羽生善治王位(41)が対局に使っている将棋盤を格別の思いで見つめている。
「あんまり大切な物だから大事にしまいすぎていた」。1962年、同ホテルで行われた第11期王将戦第3局で、大山康晴名人と挑戦者の加藤一二三八段(肩書きはいずれも当時)が対局で使った将棋盤のことだ。
田村さんによると将棋盤は当時の総支配人が購入。王将戦で使用、他の対局でも何度か使われた後は保管されたとみられ、「貴重な将棋盤がホテル内にある」と語りつがれていたという。
「名人」400年の節目の今年、対局で使うならぜひその盤を、ということになり、田村さんらが探すこと1週間、桐箱に大切に収められた将棋盤が倉庫から見つかった。」
将棋盤の裏側には「昭和三十七年二月十一日 於都ホテル」と第11期王将戦第3局の日付けや場所とともに、大山さんと加藤さんの名前が。表には将棋を指した際についたとみられる跡があり、「歴史を感じた」という。
田村さんは「伝統と歴史のある大会を担当させていただき緊張している。しっかり成功させたい」と話していた。
同ホテルではこの日、阿部隆八段や山崎隆之七段らによる大盤解説会があり、約120人が訪れた。1日も午後2時から谷川浩司九段や内藤國雄九段らの大盤解説会がある。入場料1000円、先着300人。問い合わせは同ホテル(075・771・7111)。【村田拓也】