日本の核燃料サイクル政策見直し要請
TBS系(JNN) 6月2日(土)23時16分配信
来日した国際的な専門家グループの代表が、原発の使用済み核燃料を再処理・再利用する『核燃料サイクル』について、「すべて再処理する」としている日本の従来の政策を見直すよう求める要請書を日本政府に提出しました。1日に経済産業省を訪れたのは、核物質の拡散防止を目的とする物理学者らのグループ『IPFM=国際核分裂性物質パネル』のフランク・フォンヒッペル博士で、核燃料の再処理中止を促す要請書を野田総理や経済産業大臣あてに提出しました。
日本は核燃料サイクルについて「使用済み核燃料をすべて再処理して、取り出したプルトニウムを再利用する」という方針を掲げています。しかし、専門家グループは、このプルトニウムについて、テロリストの手に渡る危険も懸念されると指摘しています。
また、核燃料サイクルの計画の中心となる高速増殖炉『もんじゅ』は、莫大な資金をつぎ込みながらも実用化のメドが立たないなど問題が山積みで、今後、核燃料サイクルをこれまで通り進めるかどうかが議論の焦点となっています。
「現在、(多くの国で)核燃料の再処理が断念されているのは、コストが見合わない上、使用済み核燃料の処理問題も簡素化できないからです」(IPFM=国際核分裂性物質パネル フランク・フォンヒッペル博士)
要請書では、核燃料の再処理を中止すること、使用済み核燃料についてはプールの水で冷却保存するのではなく、より安全な『空冷式』の容器で中間貯蔵すること、すでに取り出されたプルトニウムは早めに処分すること、『高速増殖炉』の計画を中止することなどを提案し、日本の従来の政策を変更するよう求めています。(02日21:12)
最終更新:6月2日(土)23時16分