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園良太「威力業務妨害罪」第二回裁判〜ビデオに写ったのは江東区の強権的な暴力 | ||||||
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午後12時半過ぎ。庁舎前では傍聴を求める人々が50人近くに脹れあがり、抽選を待っていた。当選番号が掲示されると、全員がいったん入館し、当選券を配分した。 エレベーターで4階に降りると、なんと裁判所職員らが大挙して通路を封鎖。ボディチェックと持ち物回収を経なければ通さないというのだ。私はベルトのバックル、腕時計、財布の金属がセンサーに反応し、そのたびに現物を見せざるを得なかった。 刑事第429号法廷にも、厳戒態勢が敷かれた。傍聴席の前後に職員が立ちふさがり、視界を遮る。支援者が帽子をかぶっていただけで理由もなく咎められ、裁判所側との応酬が続いた。 裁判長は冒頭、検察側が証拠申請していたビデオ映像の採用をあっさりと認めた。弁護団が「肖像権侵害」を理由に反対し続けていた記録である。 区側が撮影に使ったビデオカメラは、そもそも「水辺と緑の課」の所有ではなく、職員が福利厚生で私的に使う職員課の備品。業務に使うには事前の届け出がいる。A証人は、「相手が撮ったからこちらも撮った。机を叩いたので、物が落ちて壊れそうになった」などと発言。支援者が面会を求めたB課長の所在については、最後まで「知らぬ存ぜぬ」で押し通した。 ガラスが割れた際に110番通報をしたC証人。その所作からまじめで几帳面な性格がうかがえるが、C氏も「警備」に動員され、仕事のペースを崩されたようだ。しかし当日外出から帰庁し特別任務が終わるまで、長く見積もっても1時間半。この日は「私用」で残業をせず、残った仕事は翌日こなしたという。 自身の行為を「ピケ」と指摘されても、言葉そのものの意味を知らない世代。「自分の任務は自動ドアの前に立つことで、(人を)通さないことではない」と苦しい弁明をしつつ、「被告は反省してほしい」と、言葉少なに法廷を後にした。 テキパキと歯切れのいい答弁をしたD証人。業者の許認可申請を処理する仕事で、多忙を極める時期だという。実直な人柄が伝わるが、それゆえに「山谷争議団」に対する敵意の激しさが、言葉の端々に現れもする。相手(園さん)が凶器を持っていないか。心拍数があがり持病の悪化を恐れた。 弁護団からの指摘で、警備をこなしても、本来の業務には十分な余裕があったことを認めざるを得なかった。 静まり返った法廷内。撮影への抗議を無視して録画され、この日繰り返し再生されたビデオ映像には、理路整然とした抗議行動が一転、緊迫する場面がある。退去命令とともに職員数人が突然園氏に襲いかかり、わしづかみにして外へ連れ出すシーンだ。 3人の証言から私が想像していたのは、カウンター付近で傍若無人に暴れまわる一団の姿。ところが予想は大きく外れた。抗議グループはB課長との面会と、奪われた横断幕の返却を繰り返し訴えていただけだ。所有者が直接口頭で返還を求めているのに、「所有者・作成者がわからない」とは何ごとか。当該団体との話し合いが別室で行なわれた実績も、過去にはちゃんとある。区側が早期に誠実な対応をしていれば、事態の経過は変わったはずだ。 江東区あげての壮大な「警備計画」は、以前からあった。少なくとも今年1月から、勤務時間内に周到に準備されていた。動員指令のアナウンスには、隠語が使われた。 結局、野宿者とそれを支援する人々の人権など、どうでもいい、ということなのだろう。最後は強権的な暴力に訴える。やり方はいつも同じだ。 3時間半におよぶ長丁場。傍聴席には前半3、後半6の空席があったが、裁判所は頑として使用を認めなかった。入廷した園さんは、疲労かそれとも怒りからか、厳しい表情で終始押し黙っていたものの、既知の支援者らに笑顔で応える一幕もあった。 区民の異議や抗議に聞く耳持たずの門前払い。あげくの果てに強制排除。これでいいのか江東区。園さんを取り戻す日まで、支援者らの闘いは、したたかに続く。(Y) *写真=報告集会 追記1 支援団体の粘り強い交渉により、6月4日(月)午後1時から、江東区人権推進課、水辺と緑の課が同席した第1回目の話し合いが行なわれる。 当日12時に、江東区役所前庭(庁舎に向かって左側)に集合。全員が傍聴できない場合、会議室からの生中継も予定されている。 追記2 本件次回公判は、6月11日(月)午後1時30分から、429号法廷で行なわれる。 公園で野宿者追い出しの陣頭指揮を執った責任者が、証人として出廷する 。 Created by staff01. Last modified on 2012-06-03 08:39:37 Copyright: Default このページの先頭に戻る サイトの記事利用について |