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福島・南相馬市で除染が進まない理由を取材しました。
福島・南相馬市は、住民の被ばくリスクを減らすため、除染に積極的でした。それなのに、南相馬市では現在、公的な除染作業は一切行われていません。現地取材で、不条理な理由が浮かび上がってきました。
南相馬市・大原区長の深野良興さんは「子どもとかね、帰ってきてもらうためには、除染が大事だと」と話した。
住民たちの期待の一方で、ストップした南相馬市による除染作業。
なぜ、このような事態になったのか、その真相を探る。
避難先から子どもたちが戻り始めた南相馬市。
3分の1に減少した小中学生の数は、半分を超える程度になった。
子どもの増加にあわせて、民間の小野田病院で夜間小児救急外来がスタートした(土日のみ)。
日曜日の午後9時すぎ、小学6年生の男の子が両親に連れられてきた。
ぜんそくの発作で、胸が痛いという。
母親は「突発的なもので出るので、夜中に寝られなくなるので、ひどくなる前にと思って連れてきたんですけど」と話した。
診察するのは、別の病院から来た志賀 嘉津郎医師。
この夜間小児救急外来は、南相馬の開業医たちが交代で担当している。
ぜんそくの発作は薬で治まり、男の子は安心した表情で帰っていった。
南相馬市の志賀医院・志賀 嘉津郎医師は「放射能汚染地帯で、子どもたちが生活するわけだから、われわれ医者たちが、子どもたちの健康を何とか見守っていこうと」と述べた。
2011年、南相馬市は、まず学校や通学路などを除染した。
2012年2月からは、本格的に住宅地の除染に入る予定だった。
しかし、南相馬市除染対策課・羽山時夫課長は「今の時点では、除染作業自体は実施しておりません。除染をすると、どうしても除去土壌が発生します。それをいったん置く場所『仮置き場』が確保ができていない状況で、除染ができていないということです」と話した。
南相馬市だけでも、除染によって出る汚染された土などの量は、10万2,000立方メートル(南相馬市による試算)で、4トントラック、およそ3,400台分になる。
「仮置き場の候補地」の1つが、市営の「みちのく鹿島球場」。
津波の被害を受けた沿岸部にあり、広大な敷地を確保できる場所だが、地元住民から強い反対にあっている。
地元住民は「野球場が(仮置き場の)予定地になっていたけれども、野球場はそもそも野球をするための場所ですから、それについて地元の行政区はじめ、隣接の行政区も全部反対」と述べた。
そこで南相馬市は、「行政区」と呼ばれる地域単位で、「仮置き場」の設置を住民に提案している。
飯舘村に近い120世帯が暮らす大原地区。
放射線量が高いため、「特定避難勧奨地点」に指定され、子どもたちの姿はない。
田植えは、2011年に続き中止された。
南相馬市・大原区長の深野良興さんは「ここにいる方々も、被ばくをしながら住んでるわけですから。やはり大原地区で『仮置き場』、皆さんに決めていただければ一番いい」と述べた。
大原地区の区長・深野さんは、地域の住民を集めて「仮置き場」の設置場所を決めようとしたが、さまざまな意見で紛糾した。
大原地区の住民が「賛成した人の気持ちはわかります。(仮置き場・候補地から)離れているからでしょ」と話すと、別の住民は「違う違う」と述べた。
「仮置き場」に集めた廃棄物は、「3年をめどに『中間貯蔵施設』へ移す」と、国は説明する。
しかし、「中間貯蔵施設」の設置を計画する3つの町のうち、楢葉町は受け入れ拒否を表明、双葉町は話し合いを拒絶。
中間貯蔵施設は、全くめどがついていない。
地元住民は、環境省職員に「さっぱり進まない、3年の仮置き場というでしょ、『中間貯蔵施設』も決まるか、決まんないかわかんないのに。だから信用できないっていうんですよ。やってることが」と述べた。
国に対する、住民の根強い不信感。
中間貯蔵施設が決定していないことが、除染にブレーキをかけているという指摘について、細野環境相は5月29日、「賠償の問題という、今浜通り(原発周辺)の皆さん、避難をされている皆さんの中で、最も関心の高いテーマが、まだめどが立っていませんので、(『中間貯蔵施設』の設置を)今ここで、今の段階で焦ってどんどん進めることが、いい結果を生み出すというふうにも思えない。だから、まず賠償について方向性を出して、さまざまな町全体の方向性を議論していく中で、この『中間貯蔵施設』でも、ご理解をいただきたい」と述べている。
南相馬・大原地区の住民説明会は、紛糾したまま終了した。
南相馬市・大原区長の深野良興さんは「きょうの時点で(仮置き場は)ここだってことを、示すことはできなかった」と述べた。
原発事故がもたらした、放射能汚染と向き合い続ける福島の人々。
南相馬市による除染開始は、早くても9月以降になるという。
南相馬市・大原区長の深野良興さんは「子どもとかね、帰ってきてもらうためには、除染が大事だと」と話した。
住民たちの期待の一方で、ストップした南相馬市による除染作業。
なぜ、このような事態になったのか、その真相を探る。
避難先から子どもたちが戻り始めた南相馬市。
3分の1に減少した小中学生の数は、半分を超える程度になった。
子どもの増加にあわせて、民間の小野田病院で夜間小児救急外来がスタートした(土日のみ)。
日曜日の午後9時すぎ、小学6年生の男の子が両親に連れられてきた。
ぜんそくの発作で、胸が痛いという。
母親は「突発的なもので出るので、夜中に寝られなくなるので、ひどくなる前にと思って連れてきたんですけど」と話した。
診察するのは、別の病院から来た志賀 嘉津郎医師。
この夜間小児救急外来は、南相馬の開業医たちが交代で担当している。
ぜんそくの発作は薬で治まり、男の子は安心した表情で帰っていった。
南相馬市の志賀医院・志賀 嘉津郎医師は「放射能汚染地帯で、子どもたちが生活するわけだから、われわれ医者たちが、子どもたちの健康を何とか見守っていこうと」と述べた。
2011年、南相馬市は、まず学校や通学路などを除染した。
2012年2月からは、本格的に住宅地の除染に入る予定だった。
しかし、南相馬市除染対策課・羽山時夫課長は「今の時点では、除染作業自体は実施しておりません。除染をすると、どうしても除去土壌が発生します。それをいったん置く場所『仮置き場』が確保ができていない状況で、除染ができていないということです」と話した。
南相馬市だけでも、除染によって出る汚染された土などの量は、10万2,000立方メートル(南相馬市による試算)で、4トントラック、およそ3,400台分になる。
「仮置き場の候補地」の1つが、市営の「みちのく鹿島球場」。
津波の被害を受けた沿岸部にあり、広大な敷地を確保できる場所だが、地元住民から強い反対にあっている。
地元住民は「野球場が(仮置き場の)予定地になっていたけれども、野球場はそもそも野球をするための場所ですから、それについて地元の行政区はじめ、隣接の行政区も全部反対」と述べた。
そこで南相馬市は、「行政区」と呼ばれる地域単位で、「仮置き場」の設置を住民に提案している。
飯舘村に近い120世帯が暮らす大原地区。
放射線量が高いため、「特定避難勧奨地点」に指定され、子どもたちの姿はない。
田植えは、2011年に続き中止された。
南相馬市・大原区長の深野良興さんは「ここにいる方々も、被ばくをしながら住んでるわけですから。やはり大原地区で『仮置き場』、皆さんに決めていただければ一番いい」と述べた。
大原地区の区長・深野さんは、地域の住民を集めて「仮置き場」の設置場所を決めようとしたが、さまざまな意見で紛糾した。
大原地区の住民が「賛成した人の気持ちはわかります。(仮置き場・候補地から)離れているからでしょ」と話すと、別の住民は「違う違う」と述べた。
「仮置き場」に集めた廃棄物は、「3年をめどに『中間貯蔵施設』へ移す」と、国は説明する。
しかし、「中間貯蔵施設」の設置を計画する3つの町のうち、楢葉町は受け入れ拒否を表明、双葉町は話し合いを拒絶。
中間貯蔵施設は、全くめどがついていない。
地元住民は、環境省職員に「さっぱり進まない、3年の仮置き場というでしょ、『中間貯蔵施設』も決まるか、決まんないかわかんないのに。だから信用できないっていうんですよ。やってることが」と述べた。
国に対する、住民の根強い不信感。
中間貯蔵施設が決定していないことが、除染にブレーキをかけているという指摘について、細野環境相は5月29日、「賠償の問題という、今浜通り(原発周辺)の皆さん、避難をされている皆さんの中で、最も関心の高いテーマが、まだめどが立っていませんので、(『中間貯蔵施設』の設置を)今ここで、今の段階で焦ってどんどん進めることが、いい結果を生み出すというふうにも思えない。だから、まず賠償について方向性を出して、さまざまな町全体の方向性を議論していく中で、この『中間貯蔵施設』でも、ご理解をいただきたい」と述べている。
南相馬・大原地区の住民説明会は、紛糾したまま終了した。
南相馬市・大原区長の深野良興さんは「きょうの時点で(仮置き場は)ここだってことを、示すことはできなかった」と述べた。
原発事故がもたらした、放射能汚染と向き合い続ける福島の人々。
南相馬市による除染開始は、早くても9月以降になるという。
(06/02 01:27)