シャープがIGZOの新技術開発、スマホ向けパネルなどに応用
[東京 1日 ロイター] シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)は1日、酸化物半導体「IGZO(イグゾー)」の新しい技術を半導体エネルギー研究所(神奈川県厚木市)と共同開発したと発表した。これにより、スマートフォンやタブレット端末向けの液晶パネルの一層の高精細化、低消費電力化、タッチパネルの高性能化につながるという。
亀山第2工場で量産しているIGZO技術を使った液晶パネルは、今年度中にすべて新技術に転換する方針。
シャープは今春から同工場で、世界で初めてIGZO技術を使った液晶パネルの量産を開始し、タブレット端末向けに出荷している。出荷先は、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の新型iPadとみられている。IGZO技術を使った液晶は、従来の液晶よりも2倍の高精細化、5分の1―10分の1の低消費電力化、タッチパネルの高感度化が特徴。
今回共同開発したIGZOの新技術は、物質を結晶化させることで、現行のIGZOより、さらなる高精細化を可能にする。より高精細化が求められているスマホやタブレット端末向けパネルを開発中で、液晶パネルだけでなく有機ELへの応用も検討する。
記者会見したシャープの水嶋繁光副社長は、IGZO技術を使った液晶パネルの量産に新技術を適用する時期について「ユーザーとの話し合いにもよるが、今年度中にすべてを新技術に切り替えていきたい」と述べた。
有機ELパネルへの適用については「デバイスとして求められているのは高精細化と低消費電力化で、そこに液晶も有機ELも違いはないと思う」と指摘し、当面は液晶への適用を優先していく方針を示した。有機ELパネルの開発状況は「少なくとも他社に遅れることのないレベルにある」としたが「技術的にはできるが、経済面や量産の投資対効果に課題がある」と指摘した。
(ロイターニュース 村井令二;編集 田中志保)
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