最終更新: 2012/06/02 21:46

FNN各局フジテレビスーパーニュースニュースJAPANスピークスーパーニュース WEEKEND新報道2001

RSS

原発事故調査委員会のこれまでの聴取結果をまとめました。

国会の事故調査委員会による福島第1原発事故の真相究明作業が大詰めを迎えています。
その最大の焦点である菅前首相の参考人招致が28日午後に行われます。
注目のポイントはどこなのか、事故調査委員会がこれまでに行った、国会議員や東京電力幹部らからの聴き取り結果をもとにまとめました。

吹き飛んだ天井、大きく曲がった鉄骨や配管。
26日、初めて報道陣に公開された福島第1原発4号機の建屋の内部は、水素爆発のすさまじさを物語っていた。
こうした中、国会に設置された事故調査委員会では、原発事故の原因究明作業が大詰めを迎えている。
27日は、当時官房長官だった枝野経済産業相が証言に立った。
枝野経産相は「情報集約や、判断そのものこそが、大変申し訳ない」と述べた。
菅前首相の聴取のポイントの1つは「官邸による現場への“過剰関与”」。
菅前首相が事故翌日の12日早朝、福島第1原発の現地視察をしたことについて、枝野経産相は「『必ず、こういった抽象的・感情的な政治的批判は免れません』と。『とてもお勧めできません』という趣旨のことを、総理には進言をいたしました」と証言している。
枝野経産相は、視察の見送りを進言したと述べたうえで、菅前首相から「震災や事故に対する対応と、どちらが大事だ」と言われ、現地視察を容認した経緯を明らかにした。
ポイントの2つ目は「東電職員の“全面撤退”問題」。
枝野経産相は、東京電力が、福島第1原発から職員を全面撤退させようとしたとされる問題について、「清水社長(当時)から、全面撤退の趣旨の話がありました。部分的に残すという趣旨ではなかったのは明確です」と証言した。
この電話は、事故から3日目の14日夜から15日未明の間としていて、1号機と3号機が水素爆発したのに続き、新たに2号機が「危機的な状況」に陥り、現場が大混乱している最中のことだった。
同じく、撤退要請の連絡を東京電力の清水社長から受けたとする海江田元経産相も17日、「第1発電所から第2発電所に撤退という言葉ではなく、退避という言葉がございました。それ以外に、一部を残して、一部をという話は、一切なかったと記憶している」と証言した。
「全面撤退と認識した」とする政府側に対して、東京電力の勝俣会長は14日、全面否定している。
東京電力の勝俣会長は「(東電の中では、一度も全面撤退は考えたこともない?)われわれは、全然考えていません」と証言した。
ポイントの3つ目は「海水注入の“中断指示”問題」。
「原子炉を冷やせなくなった」と聞いた菅前首相の海水注入をめぐる対応も、焦点の1つとなっている。
海江田元経産相は、「『チェルノブイリのようになる』と。チェルノブイリということを2〜3回、総理の口から出たと記憶しています。官邸・東電本店・現場の3つが、伝言ゲームをやっているような状況で。これは、このままではいけないと思いました」と証言した。
当時の政権中枢の証言で浮き彫りになる、官邸の危機対応の実態。
注目の菅前首相の参考人招致は、28日午後2時から公開で行われる。

事故調査委員会では、これまで、枝野経産相、海江田元経産相、そして東京電力の勝俣元会長などが証言をしている。
そして、28日午後2時からは、菅前首相の聴取が始まる。
ポイントは、「官邸による現場への“過剰関与”」、「東電職員の“全面撤退”問題」、「海水注入の“中断指示”問題」、「炉心溶融の公表問題」、「原子力緊急事態宣言の遅れ」が注目されている。
菅前首相の対応が事態を混乱させたのではないかとの指摘がある中、28日午後2時からの証言で、どのような対応をするのかが注目されている。
国会の事故調査委員会は、6月中にも報告書をまとめる予定としている。

(05/28 13:29)


[ high / low ]

「政治」の最新記事

最新記事

Today's Question

東京スカイツリーの天望デッキに行ってみたいですか?

はい
いいえ
すでに行った
東京スカイツリータウンには行った
どちらでもない

送信

結果をみる

投稿する

記事に対する意見・ご感想や情報提供はこちらから

映像の投稿はこちらから

Windows Media Player」または「Flash Player」をインストールして、動画をご覧ください。