丸宝:「それでは、著者インタビューということで著者の松さんとイラストレーターのぺこさんにおいでいただきました。宜しくお願いします」
松:「今回、迷い猫オーバーランでデビューさせていただきます松智洋です! よろしくお願いします!」
ぺこ:「プッ」
丸宝:「わははははは」
松:「ちょっとそこ、笑わない笑わない」
ぺこ:「あは、すみませんすみません」
丸宝:「そうだよー。ぺこさんが笑うから、真面目に始めたのに笑っちゃったじゃん」
ぺこ:「でも、それは松さんが面白いこというからじゃ……」
松:「なにも面白いことなんて言ってないよ? 事実事実。ってか、ぺこたん自己紹介しようよ。レコーダー回ってるよ」
ぺこ:「あ、そうですね。魂振の交響曲から二ヶ月ぶりの、イラストレーターぺこです」
丸宝:「休み無し、という感じだね」
ぺこ:「それもこれも、全部今回『デビュー』の松さんが悪いんですよ」
松:「はっはっは。気のせい気のせい」
ぺこ:「その初々しさの欠片もないデビューっぷりは駄目でしょう」
丸宝:「そうだそうだ」
松:「編集長、どっちの味方なんですか?」
丸宝:「面白い方」
松:「そうですか……」
丸宝:「で、そんな訳で今回デビューの松さんには、一応、多少は自己紹介をしていただかないとね」
松:「あー、それはオフレコで」
丸宝:「駄目」
ぺこ:「それはずるいでしょ」
松:「んー、じゃあ角の立たない範囲で。スクウ○アエニ○クスさんの『ぱ○ぽ○』のドラマCDとか、富士○書房さんの『鋼○のレギ○ス』や『ご愁傷○二○宮くん』のドラマCDとか講○社さんの『あ○っ女神○まっ』のゲーム版なんかを書いてるシナリオライターで……」
丸宝:「待て待て待て。いきなり他社作品ばっかり並べるなよっ! いきなり伏せ字だらけじゃんか」
松:「だからオフレコって言ったのに」
丸宝:「もう少し穏当な感じでひとつ」
松:「はあ。じゃあゲームの方だと、SEGAさんの戦国シミュレーション『天下人』とか、バンダイさんの『神聖ラーゼフォン蒼穹幻想曲』なんかを書かせて頂きましたね。この二年はあるゲームにかかりきりで大きな新作はないですが、これはまだスタッフ未発表なので伏せ伏せです。つーか、発表されてもたぶんここでは伏せ字です。あと、もうすぐアニメとかもシナリオで参加した作品が発表になるんじゃないかな? もちろん、ここでは伏せ字な会社の作品ですけど」
丸宝:「なんかデビュー前から裏切り者って感じだな!」
松:「そうですね! 別PNで漫画の原作とか、その他色々とオタク業界に生息してます。でも小説は本当にデビュー作ですから!」
ぺこ:「あー、まー、うそじゃないですよね」
松:「ウソじゃない。言ってない事は沢山あるが嘘はひとつもついていない」
ぺこ:「まあいいですけど」
丸宝:「ぺこさんとは元々の知り合いだったんだよね?」
ぺこ:「はい。デビュー直後からのおつきあいです」
松:「まだ学生だったねぇ」
ぺこ:「そうですね……松さんもまだ多少は痩せてましたよね」
松:「ほっとけ」
丸宝:「それで、出版までの経緯でいうと、まず、私と松さんが知り合いで、ぺこさんと松さんが知り合いで、ぺこさんはうちで小説の挿絵を描いていた、と」
ぺこ:「はい。そうですね」
丸宝:「で、ある日、松さんと連絡している時に話が出たんですよ」
松:「ラノベ書いたから見てくれませんかー、と言ってみた訳です」
丸宝:「まあ、そういう持ち込みは良くあることなので、いいよー、と受けて読んだらびっくり。普通に、いや、かなり面白かった」
松:「本人には言わないでください。照れたり逃げ出したりしますよ?」
丸宝:「それが、今年の前半くらいだったかな? 出版自体はすぐに決めて、イラストレーターを探していたところ……」
松:「飛んで火にいる夏の虫が!」
ぺこ:「僕ですね……」
松:「そうそう。よく知ってて売れてて我が儘言いやすい。最高」
ぺこ:「なんかひどい……」
丸宝:「松さんからの提案もあり、ちょうど魂振の最終巻が脱稿していた事もあり、そのまま間をあけずに迷い猫に入って貰うことにしたんだよね」
松:「ありがとう、ぺこたん!」
ぺこ:「僕に選択権なんかなかったですよね……」
松:「まあまあ」
丸宝:「しかも、なんだか色々と事前から応援用のイラストとかも自発的に書いて頂いて! 普通、小説のイラストレーターはこういうことしないんだよ?」
ぺこ:「だって、松さんがやれって言うから……」
松:「はっはっは。まあまあ、ゲームでは普通の事じゃないか」

ぺこ:「すごく大変だったんですよっ」
松:「知ってる知ってる。今度焼き肉奢るから」
ぺこ:「僕、虐げられてますよね……」
丸宝:「せっかく頂いたイラストを無駄にしないためにも、SD初の発売と同時に書店用のポスターを変則のいわゆるスティックポスターサイズで4枚も作ってみました。デビュー作でポスター! これは松さんが凄いんじゃなくて、ぺこさんが凄いって事だよね」
松:「まー、そうともいいます」
ぺこ:「4枚全部いきなり使わなくてもいいのに……」
松:「戦力は逐次投入を避け、一気呵成に全力投入ですよ!」
丸宝:「大丈夫、小説も面白いから売れるって!」
ぺこ:「えっと、僕を説得しなくていいですから。まだ小説の話をしてないですよ」
丸宝:「おおっ、いかんいかん。松先生、小説の見所などをひとつ」
松:「いきなり先生ですか。いいですけど。えーと、やっぱり、女の子を全力で可愛く書くべく頑張りました。ヒロインたちは結構可愛い子たちになったのではないかと」
ぺこ:「キャラが立ってて書きやすかったです。どの娘も個性的だし」
松:「そういってもらえると嬉しいです」
丸宝:「やっぱ、キャラが立ってるのが大事だよね。今回は口癖にびっくりしたけどな」
松:「二回死ね! ですね」
丸宝:「そうそう」
松:「かなり悩んだんですが、極端な方がいいかなと思って。冒険ですよね」
ぺこ:「僕は、成功してると思います」
丸宝:「俺的にもオッケーだった」
松:「後は読者の審判を待つだけですが……伝わるといいなあ、と思いますね」
丸宝:「お気に入りのシーンは?」
松:「全部ですけど……やっぱり最後に伏線を解く場面ですかね」
丸宝:「あそこは結構感動したね」
ぺこ:「口絵のシーンですよね。狼少女の本領」
丸宝:「ぺこさんはどこがお気に入り」
ぺこ:「んー、なぜスクール水着のシーンに挿絵の指定がなかったのかは気になります。それから、川の字で寝るシーンですかね。描いていて楽しかったです。口から出る言葉が全部嘘、だから正直者なんだ、って設定自体も斬新だと思ったので、やっぱデレるシーンがいいですよね。ツンデレ万歳」
松:「それ、ちょっとネタバレしてない?」
ぺこ:「え? いいじゃないですか。僕は、二巻があるとしたら『迷い狼オーバーキル』だと思ってましたけど」
松:「ないない。だいたい、まだ二巻も決まってない」
ぺこ:「いつ決まるんですか?」
松:「売れたらじゃない?」
丸宝:「まあ、書き始めといてよ。売れなかったらオクラ入りかもしんないけどな」
松:「ひど……」
ぺこ:「僕だって、沢山イラスト用意したんですから。一巻で終わったら怒りますよ?」
松:「うおー。そんなことゆったってもうワシに出来ることはなにもないのじゃよ……」
丸宝:「まあ、我々三人が面白いと信じる自信作なんだからきっと大丈夫……だと思う」
松:「編集長〜、自信を持って断言してくださいよ〜」
ぺこ:「そうですよ。僕に二巻を描かせてください」
丸宝:「よーし、じゃ、次は三巻まで続いたらHP対談またやろう! 今日はここで終わり!」
松:「……鬼が笑いますよ」