2010-11-22 21:11:33

99年の愛を見て

テーマ:ブログ
11月のはじめに日本で5夜連続で放送された、日系移民の苦労を描いた橋田寿賀子作品ですが、DVDで見ました。おやじに日本からメールで見ろ、と言われたのですが、だいたいの日系移民の話はアメリカに住んでいるし分かっていたので、今さら?って軽い感じで見始めました。

最初は小林稔侍さんズラまるだしやんけとか、橋田作品なのにピン子さんは出てるけど、えなり君はピン子さんと仲良くないらしいからでないんだろうなとか、岸恵子さんフランス生活長いから日本語下手とか、うわーイモトアヤコ出てるうけるー、とか不謹慎な気持ちもあったのですが、見ているうちに作品のすばらしさ、日系移民の苦労に本当に泣けてきました。

橋田さんがインタビューでこれは私の遺言です、とおっしゃっていましたがその意味がこの作品を見てよくわかりました。

これ見るとだいたいのあらすじは分かります。まだ見ていない方はぜひDVD見てください。

俺の場合俳優だからよく俳優さんの演技のすばらしさに感動して泣く、ということがよくあります。最近は涙もろく、スポーツの優勝シーンでも泣くし、単に物語が悲しいとか、ストーリーに感動して泣くとかもありますが、この作品はいろいろひっくるめて5話ありましたが、1話で4、5回泣けます。

1話のイモトの芸人とは思えない演技はよかったな。演技はみなさん本当に迫真の演技でした。俺もそうなんですがこういう作品に出ると、ただ出たんだよいいだろう、では済まなくなります。本当にこの繰り返してはならない歴史を我々は選ばれたものとして、視聴者に伝えなくてはいけなくなります。俳優皆さんの演技からその気持ちがよく伝わってきました。

題名が99年の愛で19011年から話が始まってるんですよね。2010年、現代の4世まで話が繋がっていて、日系移民の苦労が本当に伝わってきます。今でこそ俺たち移民を受け入れてくれ、俺みたいなのでも生活していける懐の深いアメリカですが、当時は日本人はJAP!!とののしられ、太平洋戦争中は財産を取り上げられ捕虜収容所に送られひどい生活を強いられ、そこから二世部隊に志願し、ヨーロッパ戦線で命を落とした若者も何人もいました。

彼らの苦労に比べれば、俺の苦労なんて屁でもないんだな、と思わされます。俺は日米のエンターテイメント界の架け橋になりたい、なんて言ってますが、俺のしている現代での苦労なんて苦労じゃありません。命もあり、好きなことが出来、ご飯も食べれて、住むところがあって、電気があり、水道があり、ネットも見れて、こういう当たり前の事がすべて日系移民のみなさんが築いてくださった礎のおかげなんだな、というのがよくわかりました。

こういう戦争映画ってあまり好きじゃないんです。見ていて辛くなるし、考えさせられますからね。楽しいエンターテイメント映画をみんな作って楽しもうよ、って思うのですが、自分も俳優としてこういう作品はこれからも避けては通れません。

戦争映画ってよく関わります。レコーディングしていても撮影現場もアメリカ人と日本人が仲良く、和気あいあいとやっているのですが、いざ本番が始まると、You’re fucking JAP!!とかケトウ、アメ公、死ね!!とかすごい言葉が飛び交います。70年前はそれが現実に行われていたんですからね。今はスクリーンの中だけでいいのですが、本当に平和な世の中に感謝です。

今でも中国とのいがみ合い、北朝鮮問題、中東情勢などいろんな問題が世界ではくすぶっています。太平洋戦争を通じても各国の言い分は違います。日本にしてみればアメリカが原爆を落とした。アメリカにしてみれば真珠湾の攻撃したのは日本。日本も中国で南京大虐殺を起こし、韓国人を日本に連れてきて、戦後も日本国籍を与えない、在日韓国人問題。北方領土問題。数え切れない問題がありますが、とにかく一人一人がどうすれば平和が訪れるか、というのを考えないといけません。

このドラマの冒頭でイチロー選手が今やシアトルで活躍しているシーンが映ります。アメリカ人が日本人選手に賞賛を送る時代になりました。ロスでも黒田がドジャースと再契約の話を聞き、みんなが拍手を送り、渡辺謙がThe Last Samuraiでアカデミーにノミネートされ、謙さんだけではなく、ジャッキーチェン、チャンツィー、ジェットリーと多くの東洋人がスクリーンにも登場する時代です。

俺が出来る平和への貢献というのは日米の野球界、エンターテイメント界の架け橋になること。空手を通じて世界平和に貢献する事ですね。すばらしい日本の野球選手をアメリカに連れて来たいです。逆にアメリカ人選手を日本にも連れて行きたいです。もちろん自分自身もエンターテイナーとして世界の人々を楽しませたいです。空手も野蛮に見えますが、人間は本当に強くなるとむやみに暴力は振るわなくなります。武道ってすばらしいものなんです。あと料理も人をハッピーにさせられますもんね。もちろんそういう考えも持ったエンターテイナーを育てる事も仕事だと思っています。

まだ来年の話をするのは早いですが、日系移民のみなさんが残してくださった功績を胸に来年も頑張ろうと思います。

みなさんもこの作品を見る機会があれば見てください。特にアメリカに住んでいる方々、みなさんぜひ見てください。


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