ドラクエ5のシステム上の最大の売りは「モンスター仲間システム」である。
倒したモンスターを仲間にできるというやつだ。
仲間になるか否かは完全にランダムである。
一応種によってなりやすさは決まっているが、所詮は確率であるため運である。
しかしこの「いつ仲間になるかわからない」という感覚が、
ともすればうっとおしいとも感じる戦闘を楽しみにさえ感じるようになる。
RPGにおいて「戦闘をめんどくさく感じさせない」というのは重要な要素で、
それを満たしているドラクエ5はやはり優れたゲームと言える。
これがもしモンスターを運以外の方法で仲間にできるようになっていたら、
機械的な操作になって戦闘を「楽しみ」には感じないだろう。
さて、ある程度やりこんだ人ならば誰もが考える「全種コンプリート」。
当然自分もやろうとした。しかも、「そのモンスターが初登場する場所で、ストーリーを進めずに」という規制をかけて。
そしてそんな遊び方の最大の難関は「はぐれメタル」を仲間にすることであった。
はぐれメタル。ドラクエをプレイした者ならば誰もが知っているモンスター。
HPは5〜6。ただし絶対に1しかダメージを与えられず、打撃攻撃しか通用しない。
しかも、回避率が異様に高く滅多にダメージを与えられない。その上、高確率で逃げてしまう。
またモンスターを仲間にするためにはその戦闘の最後に倒す、というのが最低条件であるから
(後に倒されたモンスターが優先的に仲間になるようになっているため)、
このすぐ逃げる奴を倒す前に、他のモンスターを全滅させなければならないのだ。
そしてただでさえ、仲間になる確率が低いタイプに分類されている。
一体どれだけの確率なのだ。
自分で「初登場の場所で、ストーリーを進めずに」という条件をつけているので状況は更に悪い。
もう少し先に進めば、多少有利になるアイテムや呪文を得ることができるからだ。
これ、本当にきつかったんだけど、仲間にしたんだな。半年かけて。
もちろん毎日やってたわけじゃなくて、30分しかやらなかった時も2時間やった時もあったけど、
義務的な感覚でなるべく毎日やるようにしていた。
そしてついに仲間になった瞬間。1分間くらい叫んだ(笑)。
忘れもしない、1996年6月30日午前9時15分。テレビ画面をカメラに収めた。
気が動転していてフラッシュ焚いちゃったから画面に反射してよくわからなくなっちゃったけど、
その写真は今でも持っている。
なんていうか、それだけアホなことに熱中するくらい自分はこのゲームにハマったんだ、ってことっす。
ま、半年後にそのデータは消えたんだけどね!
ちょうど、最後のモンスターを仲間にするために頑張ってた頃でした。結局コンプリートはならなかったんだな。
ほんとよくデータが消えるゲームですドラクエは。
そのたびにやり直してるんだけどね。多分7回くらい初めからプレイしてるんじゃないかなぁ…