サッカー韓国代表は31日(以下、韓国時間)、スイス・ベルンでFIFA(国際サッカー連盟)ランキング1位のスペインと親善試合を行い、1-4の完敗を喫した。韓国は前半11分、フェルナンド・トーレスにヘディングでの先制ゴールを許したが、同43分にキム・ドゥヒョンの豪快なミドルシュートで1-1の同点に追い付いた。だが、後半に3ゴールを許し、あえなく敗れた。これでスペインとの通算対戦成績は3敗2分け。韓国は重い気分のまま4日に、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選第1戦(9日午前1時15分)の行われるカタールに移動する。
■守備連携の弱点を露呈
苦戦が予想される「模擬試験」ではあったが、内容は予想していたより悪かった。今回の試合では、韓国の守備が世界最強を誇るスペインの攻撃をどこまで封じることができるかに関心が集まった。韓国代表の崔康熙(チェ・ガンヒ)監督はこの日、李正秀(イ・ジョンス)、趙容亨(チョ・ヨンヒョン)をセンターバックに据え、左サイドバックに朴柱昊(パク・チュホ)、右サイドバックに崔孝鎮(チェ・ヒョジン)を起用した。4バックでこのメンバーは初めての顔触れだ。趙容亨は2011年アジア・カップ以来、久々の代表復帰で、朴柱昊は11-12年シーズンのスイス・リーグでの活躍が認められ、今回初めて代表入りを果たした。
実戦で呼吸を合わせたことのない韓国のDF陣は、懸念された通り組織力の面で大きな弱点を露呈した。最初の失点の場面では、トーレスを4人の韓国DFが囲んだが、一瞬で抜け出された。ずさんなオフサイドトラップも失点の原因になった。
後半34分にアルバロ・ネグレドが挙げたスペインの4点目も、味方のカバーに失敗した韓国DF陣が、中央に切り込む相手FWを止められなかったのが原因だ。スペイン式のパスサッカーに、韓国の守備は全く対処できなかった。W杯最終予選第1戦で対戦するカタールは、ブラジルやウルグアイから国籍取得したFWが前線でプレーするため、短期間でDF陣の組織力を高める必要がある。
韓国の守備に関する根本的な問題点も指摘されている。KBS放送のハン・ジュンヒ解説委員は「基本的に、守備連携に関する理解度が高い世界的なDFは、久々に代表に復帰しても、歯車のようにぴったりかみ合って機能する。韓国のDF陣は別のポジションから転向した選手が大半で、ユース時代に体系的な守備を学んでいないため、練習時間が足りないとすぐに守備に問題が生じる」と指摘した。