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ロンドン五輪キップを手にしたバレーボール女子日本代表を支えた大会役員が語った悲惨な舞台裏

<弁当2つだけ>

 どうにか世界最終予選で五輪キップを手にしたバレーボール女子日本代表。国民も胸をなで下ろした舞台の裏で疲弊している多くの関係者がいた。

「本当にヘトヘトですよ」

 29日午後、「バレーボールの国際大会で運営役員をやっている」という方から、日刊ゲンダイ本紙編集部に電話がかかってきた。

「昨年10月から1カ月近く学校を休んでワールドカップの運営(チケット販売、プレス担当、広報など)に携わり、今回の世界最終予選です。やっと女子が終わったと思ったら、6月1日から始まる男子大会の準備。大会は10日まであって、数日後に女子のワールドグランプリ(予選の日本会場は小牧と大阪)です。国際大会は、中学、高校のバレー部監督や中体連、高体連、大学連盟、ママさんバレーのボランティアなどが手伝わされる。全日本の試合がある日は朝の8時から働いて、選手とファンを送り出して体育館の消灯は深夜1時少し前。教師は長期間、学校を休んで困らないかって? 授業に穴があくわけですから、先生も学校も困らないはずがないでしょ。これだけ国際大会のために尽くしても、『長』がつく大会役員の日当は1500円。普通の役員とボランティアは昼と夜の弁当だけです。それが大会が終わると役員やボランティアは、(女子の)真鍋監督に『お疲れさま』と言う。これって逆でしょ。木村沙織は『ありがとうございました』って言ってましたが、キャプテンの荒木絵里香なんて当たり前でしょって顔で無言でしたね」

<テレビ局の意向>

 この役員は国際大会にジャニーズのタレントを使うことの「危うさ」にも言及した。

「ゲーム前に彼らのショーがある。以前はそれを見ただけで体育館を出て行く女子中高生がたくさんいた。今は、試合が終わるまで退場できません。退場のためドアが開くと光が入ってテレビカメラが困るというのが理由だが、そんなのは嘘です。試合前に大勢の観客がいなくなって空席が目立つと、テレビ映りの面で困るからです。試合が地方で行われても全日本のときは満員になるが、外国チーム同士の戦いでは200人なんて観客はザラ。テレビ局から言われて、観客があるエリアにだけ集まるようにチケットを売ることもある。全日本の試合だって満員になるのはジャニーズのタレント目当ての若い子がいるからです。彼らには1億円のギャラを払っているそうですが、このやり方は“麻薬”みたいなもの。協会は考えた方がいい」

 バレーの国際大会が日本で頻繁に行われるのは人もカネも集まるからだ。毎回必ずやってくる国際連盟の幹部にも人気のあるところを見せなければならない。

 前出の役員が最後にこう言った。

「3年に1回なら手伝ってもいいですが、毎年、毎年で今年は特にひどい。本当に体が持ちません……」

 五輪出場を決めて得意顔の女子選手たちは、この現実を知っているのだろうか。

(日刊ゲンダイ2012年5月30日掲載)

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