ゲームは人の性格に影響を与えるの?

      [2012/05/05]

     若者による凶悪事件が起きたとき、犯人の趣味がゲームだった場合「ゲームの影響があるのではないか」と犯罪とゲームを結びつけて報道されることがあります。ゲームファンにとっては、あまりいい気分がしませんよね。でも、本当のところはどうなのでしょう。ゲームと性格、この二つの因果関係について、心理学者の内藤誼人(ないとうよしひと)先生に詳しくお聞きしました。

    ゲームは性格に影響を及ぼすこともある

    「『暴力的なゲームをしていると攻撃的な性格になる』のか、『攻撃的な性格だから、暴力的なゲームを好む』のか、あるいは全く関連はないのか。実は、ゲームと性格の因果関係ははっきりしていません。しかし、人の性格がゲームの影響を一時的に受けるという心理学的データが出されています」

     え! やっぱり、影響を受けることがあるんですね。内藤先生、詳しく教えてください。

    「香港大学のマイク・ヤオは、74名の男子大学生を無作為に三つのグループに分け、それぞれ別のゲームを行わせました。用意されたゲームは、『レジャースートラリー』(ラリーという男性が、女性をどんどんナンパしてベッドインすればクリア)、『パックマン』(モンスターの追跡をかわしながら、迷路内のドットを食べ尽くすゲーム)、『シムシティ』(市長になって街づくりを行う都市経営シミュレーションゲーム)です。三つのグループにはこのゲームのいずれか一つのみをプレイしてもらい、その後男子学生にセクハラテストを行わせました。その結果、なんと『レジャースートラリー』をプレイさせた男子学生は、ほかのゲームを行った学生よりも4~5倍、セクハラテストで高得点だったのです。つまり女性にセクハラをしやすいという結果がでてしまいました。ゲームの影響を受けて、性格が変わったと言えるでしょう」(内藤先生)

     ただ、内藤先生によると、性格の変化はゲームをやっている間だけの一時的なものということ。ゲームを止めたら、ゲームの影響は減っていくと考えられるようです。趣味として楽しむ分には、そんなに心配しなくても良いようですね。安心しました。

    ゲームはスポーツと一緒、要はやり方次第!

     でも、ゲームの問題点として、ゲームはリセットすれば何度もやり直すことが可能だから、ゲームばかりやっていた子どもは社会に出たときに忍耐力がない、キレやすいなんてこともよく言われます。内藤先生、やっぱり子どもにはゲームはさせない方が良いのでしょうか。

    「ゲームにも良いところはたくさんあります! 私は子どものころからゲームが大好きで、友だちと地元・栃木から秋葉原までゲームカセットを買いに行くほどでした。今でも好きなゲームは、睡眠時間を惜しんでプレイをしています。ゲームがクリアできずに『悔しい』と思う気持ちと、スポーツに負けて『悔しい』と思う気持ちは実は一緒。悔しさをバネにして努力してゲームをクリアしたとき、子どもは『やればできる』ことを学びます。その体験は、その後の人生にもプラスに働くはずですよ。ちなみに、私のお薦めは『モンスターハンター』。ハンターになって狩猟生活を堪能するゲームですが、モンスターに倒されても立ち向かっていく勇気、根性を鍛えられるはずです」(内藤先生)

     なるほど! ゲームも使い方次第で、スポーツや勉強のように「やればできる」という成功体験を得られるツールにもなるのですね。また、内藤先生によると「途中で投げ出させずに一つのゲームをクリアさせるのが良い」そうです。子どもにゲームをねだられて悩んでいる方、将来子どもにはゲームをやらせたくない方、ゲームも良いところがたくさんあるようです。大切なのは使い方なのかもしれませんね。

    文●ペンダコ



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