東日本大震災:ソーラー植物工場で福島・南相馬に力を 体験学習施設建設へ、元東電執行役員の会社が一役
毎日新聞 2012年05月31日 東京夕刊
東京電力福島第1原発事故後、「脱原発」を掲げる福島県南相馬市で、太陽光発電所と植物工場を併設する体験学習施設「南相馬ソーラー・アグリパーク」が建てられる。太陽光発電所の建設を担う「福島復興ソーラー」(本社・東京)の社長は、同市出身で元東電執行役員の半谷(はんがい)栄寿(えいじゅ)さん(59)。半谷さんは原発事故について「東電の一員だった者として心から申し訳ない。地元出身者として少しでも貢献したい」と話している。【高橋秀郎】
建設予定地は津波で被災した農地約1・5ヘクタール。ソーラー社が約2億円を投じ、約170世帯分を賄う500キロワットの発電所を整える。植物工場は市が約1億円かけて建設し、農業者に無償貸与する。工場で使う電力はソーラー社が割安で供給し、野菜などの販売先確保も支援する。来年4月の稼働を目指している。
半谷さんは警戒区域(原発から20キロ圏)だった旧小高町出身。東電では原発立地県・福島の振興策としてサッカー施設Jヴィレッジ推進などに携わった。10年に退職し、昨年9月に地元貢献を目指しソーラー社を設立した。