サンデー・トピックス:JR石勝線特急炎上事故1年 長引く調査、安全模索 固定部品は見つからず /北海道
毎日新聞 2012年05月27日 地方版
昨年9月からは、つりピンのナットを締め付ける力を一定の力に統一した。また、事故後、一部の割りピンに異常摩耗があったことから、交換時期を従来の50万キロ走行から8万キロごとに短縮。その後、同様のつりピン脱落事故は起きていない。
■現場と対話
「マニュアルに書いてあるが、(異常の有無は)経験でしか分からない。こういうことは鉄道業に多い」。小池明夫社長は全車に導入した打音検査についてこう語るが、事故では、まさにこうした社内での技術伝承がうまくいってないのではないかと指摘されている。
社員約7050人(今年4月現在)の年齢構成で、最も多いのは50代(37・7%)。20代(27・3%)▽30代(23・1%)と続き、40代は9・5%と、現場の実務の中心を担う世代が極端に少ない。こうしたいびつな社員構成を克服するため、同社は車両検修など4部門に経験豊富な58〜69歳のOB4人を専任部長に登用。一方で、13年度採用を過去最大の約300人に増やし、人材育成と技術伝承に取り組んでいる。