サンデー・トピックス:JR石勝線特急炎上事故1年 長引く調査、安全模索 固定部品は見つからず /北海道
毎日新聞 2012年05月27日 地方版
捜査関係者は「落下後、車輪にはね飛ばされて山林に入った可能性もある」とみている。運輸安全委は、つりピンの振動実験から割りピンの摩耗、破損のメカニズム解明を進めており、最終報告提出まではなお時間がかかりそうだ。
■技術伝承
左手にペンライト、右手にハンマー。腰ベルトに工具7〜8種を差し込んだヘルメット姿の検査員が、なめるように台車の黒ずんだ部品を見回した。時折ナットやピンをカンカン、カンカンとハンマーで2回ずつたたく。
札幌市手稲区の札幌運転所で25日、報道陣に公開された「仕業(しぎょう)検査」と呼ばれる車両検査。特急列車では3日に1回行われる。それまで目視確認のみだったが、事故後にハンマーで部品をたたく打音検査が全車両で導入された。
部品に緩みがあると、打音が鈍く響くといい、検査時間は従来の約35分から10〜15分長くなったが、「打音検査の導入で異常は把握できる」(同社幹部)という。