社説:再稼働と原発の安全 「私の責任」という無責任

毎日新聞 2012年06月01日 02時31分

 関西電力大飯原発の再稼働を関西広域連合が事実上容認した。政府の安全基準や、それに基づく判断を「暫定的」と位置づけた上で、「限定的」な再稼働に理解を示した。これを受け、政府が近く最終判断するとみられる。

 客観的状況が変わらない中での同連合の再稼働容認は釈然としない。しかし、それ以上に納得できないのは野田佳彦首相の言動だ。

 東京電力福島第1原発の過酷事故から1年2カ月。これほどの事故を経験しながら、国の原子力政策についても、原発のリスク軽減についても、国民の心に響くメッセージを発していない。にもかかわらず「私の責任で判断する」といった具体性に欠ける言葉で再稼働を推し進めようとしている。

 私たちは原発再稼働のためにはいくつかの条件を満たす必要があると考えている。事故の検証を踏まえ、新しい規制組織が再稼働の判断基準を示すこと。その基準は各原発の弱点を比較できるようなものであること。免震棟のように時間のかかる対策が未整備であることのリスクも評価すること。原発を動かさないリスクが動かすリスクを上回ることをきちんと示す、といったことだ。

 しかし、いずれも納得のいく状況ではない。

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