東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 放送芸能 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【放送芸能】

民放テレビ2011年度決算 スポットCM好調 放送外収入が貢献

 テレビの民放各局の二〇一一年度決算が出そろった。番組と番組の間に流れるスポットCMの収入が、東日本大震災の減収の影響を補うほど好調。またアニメ「けいおん!」(TBS)など人気番組の映画化等、放送外収入が経営に貢献。売り上げが百億円を突破し、局全体の収益に貢献するBSデジタル放送も出てきた。 (宮崎美紀子、藤浪繁雄)

 「企業は、冒険しにくくなっているようだ」。CM総合研究所は、CMの現状をこう分析する。

 CM総研の調べでは、一一年度のキー局のCM放送回数は、調査を始めた〇一年度以降最高だったが、出稿した企業数、商品銘柄の数は減少傾向にある。

 ロングセラーの商品CMなどを手厚く流すやり方が顕著で、東日本大震災の影響もあるとみられる。こうした安定傾向が、キー局の収入を結果的に支えているようだ。

     ■

 民放の収入の根幹はCMだが、売り上げの10〜15%は映画興行やDVD販売、イベントなどの放送外収入。そして目立つのが、視聴率や知名度が低くても経営に貢献する「親孝行」なソフト。

 「けいおん!」は深夜の連続アニメだったが、昨年十二月に映画化され、興行収入十七億円とヒット。しかもDVDやCDの発売元はフジ・メディア・ホールディングスの子会社ポニーキャニオンで、局をまたいで貢献した格好だ。

 テレビ東京は、深夜ドラマ「勇者ヨシヒコと魔王の城」のDVDが好調。低予算で制作され平均視聴率3・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったが、五枚組DVD−BOX(セル商品)が三万セット以上売れ、通販サイト「アマゾン」の昨年の日本のテレビドラマではDVDの売り上げトップになった。深夜ドラマ発の「モテキ!」も映画が興収二十二億二千万円と大ヒットした。

 テレビ朝日は、子会社のテレビ朝日ミュージック所属のケツメイシ、湘南乃風のCDがヒットし、音楽出版事業で十六億円の利益を出した。

 放送外収入については「三割いけば楽になる」(フジの豊田皓社長)といった見方があるが、視聴率や景気で見込みが立つCM収入と違い、映画の製作本数やDVD、CDなどの作品数によって年ごとの変動が大きく、好調さが来年も続くと言い切れない面もある。

◆BS3局で100億円突破

 地上波系BSは五局中三局で、売上高が初めて百億円の大台を突破した。トップはBS−TBSの百十四億円で、同じグループ内のTBSラジオの売り上げを抜いた。持ち株会社化でBSが連結子会社になった局は、全体の収益に大いに貢献している。

 BSデジタルは二〇〇〇年十二月の開局当初は苦戦を強いられたが、〇七年度に全局が単年度黒字に。地デジ化でBSも見られる三波共用テレビが普及し、全世帯の七割以上が視聴できるメディアに成長している。

<テレビの広告費> 電通調べでは、昨年の日本の総広告費は約5兆7096億円。テレビ広告費は1兆7237億円で、最大の3割を占める。2000年前後の約2兆円がピーク。09年にリーマン・ショックで1兆7000万円台に落ち込み、以来、微増微減を繰り返し、11年は前年より0・5%減少。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo