<衆院憲法審査会>9条改正、各党割れる
毎日新聞 5月31日(木)21時31分配信
衆院憲法審査会は31日、現行憲法を各章ごとに議論する2回目の審査を行った。この日は第9条だけで構成される第2章「戦争の放棄」がテーマで、与野党7党が意見を表明。第1党の民主党は改正の賛否を明らかにせず、自民党と新党きづなが自衛隊を「軍」として明記するよう訴え、みんなの党も改正の検討が必要とした。一方、公明、共産、社民の3党は改正に反対した。
民主党を代表した逢坂誠二氏は、05年に党のまとめた「憲法提言」を紹介し、「自衛権の行使などに歯止めをかけることが憲法の役割」と述べるにとどめた。しかし、自由討議の際、同党の篠原孝氏が「自衛のための軍隊は持てると明記すべきだ」と9条改正に言及し、党内意見の隔たりが浮き彫りになった。
自民党は4月発表の改憲草案を引きながら「自衛隊を『国防軍』に位置付け、集団的自衛権の行使を認める」と主張。新党きづなも同調した。みんなの党は「防衛に関する法的正統性が内閣法制局の憲法解釈に基づくことは好ましくない」として、9条改正か、安全保障基本法の制定を目指すべきだとした。
一方、公明党は「9条は今のままでよい。理念、精神を世界に広げる責任が日本にはある」と反論。共産党は「9条は憲法の神髄だ」と訴え、社民党も「条文はいささかも変更してはいけない」と主張した。
自由討議では、複数の委員が沖縄の米軍基地負担に言及。民主の辻元清美氏は「沖縄で基本的人権や生存権が保護されているのか」と指摘。共産党の笠井亮氏は「占領下と変わらず、9条が沖縄に及ばない現実が続いている」と述べた。【鈴木美穂】
最終更新:5月31日(木)23時23分
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