経済産業省は、電力会社の発電部門と送配電部門を分ける「発送電分離」を2014年以降に進める方針を固めた。今のように大手電力会社が発電、送電、電力販売を独占するのでなく、自然エネルギーなど様々な発電会社も送電しやすくして、消費者が電力会社を選べるようにする。
経産省は31日に開く電力システム改革専門委員会で、送配電を担う組織をどのようにつくるかを本格的に議論し始める。家庭向け電力にも新しい会社の参入を認める「電力自由化」とともに今夏までに具体策をまとめ、来年の通常国会に電気事業法改正案を出す。
電力をつくる「発電」と、その電力を家庭や企業に送る「送配電」は、各地域の大手電力が一手に担っている。今は両方の部門の経理だけを別々にする「会計分離」になっている。
これに対し、新しく発電事業を始めようとする会社からは「送電網を自由に使えない」「送電網の利用料が高い」などの不満が多い。このため、送配電を大手電力から切り離し、公正に競争できるようにする。