経産省所管法人、中国人スパイ“抹殺”…ウェブ上から名前削除

2012.05.31


スパイ疑惑が報じられ、物々しい雰囲気に包まれた中国大使館【拡大】

 スパイ疑惑が浮上した中国大使館の李春光書記官。2010年には経済産業省所管の社団法人が後援するシンポジウムの基調講演に登壇しているが、同法人の活動報告を記載したウェブサイトから、なぜか李書記官の「名前」だけが削除されたことが分かった。いったい何があったのか。

 先端技術の開発などを目指し、シンポジウムや調査・研究、産官学の意見交換を行っている社団法人「先端技術産業戦略推進機構」のサイトには、過去の活動報告が記録されている。

 それによると、2010年3月に同機構が後援した国際シンポジウムが開かれ、中国の社会科学研究院の李春光主任研究員が「中国の新エネルギー戦略とCOP16」と題した基調講演を行ったという記載がある。ところが、他の後援者やパネリストはすべてフルネームなのに、なぜか李書記官だけは名字しかない。

 そこで今月20日時点のキャッシュ(検索サイトが保存した過去のデータ)をみると、「李春光」というフルネームが残っていた。

 誰が何のために名前を消したのか。同機構に聞いてみると、事務局の職員は「特段の理由はないと思う」。名前が消された時期や経緯も「担当者がすべて出払っているので分からない」との返答だった。

 ただ、名前が消えた李書記官がほかにも同機構の活動に参加しているのかを尋ねると、事務局職員は「一度だけだと思う」。これについてはなぜか即答だった。

 

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