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川内原発廃炉めざし闘う決意

2012年05月31日

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提訴のために鹿児島地裁に入る原告ら。「原発なくそう!」「自然エネルギーへの転換を!」と書かれたのぼりを掲げていた=鹿児島市

川内原発の操業差し止めを求め、1114人が鹿児島地裁に提訴した30日、原告や弁護団は鹿児島市のかごしま県民交流センターで報告集会を開き、「廃炉へ最後のチャンス」「止めるのは今しかない」と訴えた。

 原告団長には、川内原発がある薩摩川内市の自営業森永明子さん(41)が就いた。提訴後の報告集会で森永さんは「原発は壊れたら大変。川内原発から10キロちょっとの所に住んでいるが、子どもたちの古里のため、子どもたちのため、一緒に闘って原発を止めましょう」と訴え、会場からは大きな拍手が起きた。

 森永さんは広島県で生まれ育ち、12年前に夫の実家がある薩摩川内市に引っ越してきた。3号機の増設計画を知り、原発の反対運動に参加するようになったという。小学1年と5年の子どもがいる。

 「祖父が広島の原爆で被爆した。子どもたちは原爆の影響と原発の二重のリスクを抱えることになる。子育て中で忙しい母親たちの脱原発の声を代弁したい」と語った。

 原告の内訳は県内在住が477人、うち薩摩川内市は40人。宮崎県314人、熊本県302人。福島県から避難してきている人もいるという。弁護団も78人を数え、今後も追加提訴する予定という。

 この日は玄海原発(佐賀県玄海町)の操業停止を求める3次提訴もあり、同訴訟の原告数は4千人を超えた。

 森雅美弁護団長は「玄海原発訴訟を含め、原告数が1万人とさらに増えていけば、世論に与えるインパクトも大きくなり、簡単に再稼働できないような大きな声になる。裁判官も人間なので、福島の事故で原発はいかんと心の中で考えると思う。全国すべての原発を止めたい」と語った。

 宮崎から弁護団に加わった後藤好成弁護士は「世界有数の地震地帯の国内に原発を稼働させることは危険とみんな実感した。どうしても廃炉にしたい」。

 原告になった「原発ゼロ・自然エネルギーへの転換を求める熊本の会」の楳本光男事務局長は「熊本は川内原発からも玄海原発からも100キロ圏内。今なお解決していない水俣病と同様に、原発も国の姿勢によっては被害実態が明らかにならないのではないか」と疑問を投げかけた。

 弁護団は今後、九州電力に公開質問状を送ることも検討しているという。(祝迫勝之)

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