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政治
【40×40】笹幸恵 浮足立った強硬路線
石原慎太郎都知事が尖閣諸島を購入すると発言したとき、私は心の中で拍手喝采した。中国漁船衝突事件で見せたわが国のヘタレ外交に、活を入れてくれたと思ったからだ。読者諸兄も快哉(かいさい)を叫んだことだろう。それが証拠に、すでに購入のための寄付金は9億円を超えている(5月末現在)。
しかし今、私はこの件について大きな違和感を抱いている。
一つは、石原都知事が「尖閣諸島は東京都が守る」「国がやらないなら自分たちがやる」と発言したことと関連する。発言自体は威勢がいいし、カッコイイ。しかし、そもそも国境を形成する重要な島だ。東京都ではなく、国が守っていくのが道理ではないか。それを飛び越えて一自治体が、いや正確には一知事が、議会に諮ってもいないのに地権者との個人的な話し合いによって何事かを決め、国政を左右することが果たして許されるのか。
国がやらないという怒りは十分に理解するが、それなら国が動くよう働きかけるのが筋だろう。今回の都知事の言動の目的が、こうした働きかけにあるならば称賛に値する。これで目が覚めた政治家も少なくないと思うからだ。しかしそれを越えてしまえば、もはや議会制民主主義など成り立たなくなるリスクをはらむ。
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