関西電力大飯原子力発電所3、4号機が立地する福井県や周辺自治体が、同原発の再稼働を容認する姿勢に傾き始めた。電力需要が増える夏を控え、電力不足への危機感はもともと根強い。政府が再稼働後により厳しい安全基準を定める方針を示したことで、政府に対する不信感が薄まりつつある。
政府は30日、関西広域連合の会合に細野豪志原発事故担当相を派遣。細野原発相は関西電力や原発メーカー、経済産業省の政務三役らで「特別監視体制」を作ると表明した。経産省原子力安全・保安院にかわり、原発の安全審査を担う原子力規制庁発足までの暫定措置と位置付け、牧野聖修経産副大臣ら政務三役を常駐させる案も示した。
さらに規制庁発足後に明確な安全基準を作り直す考えも表明した。現在は大飯原発の再稼働を判断するために3つの安全基準を作っているが、細野氏は会合で「(現在の基準は)暫定的。新しい規制機関の下で厳格にする」と強調した。新基準は東京電力福島第1原発事故の分析を踏まえた内容とし、策定後は大飯原発にも適用する方向だ。
原発周辺の関西圏の自治体はこれまで、政府の安全対策に不備があるとし、再稼働に強く反発してきた。だが、政府が2段階の安全対策を示したことを評価、一応再稼働に向けた環境が整ったと判断したもようだ。関西広域連合長の井戸敏三・兵庫県知事は「我々の立場は(政府判断を)受け止めるしかない」と述べ、再稼働を事実上容認する姿勢に転じた。
再稼働に難色を示していた関西の自治体が容認に傾く背景には、今夏も大幅な電力不足が予測されていることがある。政府の試算によると、大飯原発が再稼働しなければ、関電管内の電力供給は14.9%不足する。産業界からは再稼働を求める声が相次いで上がり、「首長らもいつまでも反対しているわけにはいくまい」(政府筋)との声が出た。
電気の消費地である関西圏が受け入れ姿勢をにじませたことで、福井県の西川一誠知事も受け入れ表明へ向けた準備を加速する見通しだ。30日夕に発表したコメントでは、同意のための3条件を明記した。(1)担当閣僚の説明(2)県議会やおおい町など地元の受け入れ(3)首相の国民向けメッセージだ。特に首相の安全宣言を最重要視し、知事自ら態度を表明するタイミングを探るとみられる。
関西電力、大飯原子力発電所
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