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『週刊ダイヤモンド』特別レポート
【第167回】 2012年5月31日
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週刊ダイヤモンド編集部

激変するスマートフォン時代の顧客情報管理
個人情報取り扱いミスの「罪と罰」
――ミログ社はなぜ解散しなくてはならなかったのか
週刊ダイヤモンド6月2日号特集「ネットの罠」web連動企画①

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今春、スマートフォンの動画アプリ「アップティービー」が顧客情報を不正に取得・利用していたとして、ITベンチャー「ミログ」が解散に追い込まれた。週刊ダイヤモンド6月2日号特集「ネットの罠」では『顧客情報の扱いで批判浴びた「ミログ」解散の教訓』と題したコラムで事件を分析したが、今回そのweb連動企画として、ミログ社元CEO城口洋平氏と関係者のインタビューをお送りする。第1回は同記事寄稿者で聞き手でもあるクロサカタツヤ氏による、インタビューに至るまでの経緯と、聞き手としての“思うところ”を明らかにしてもらった。

〈罪と罰〉は釣り合っていたのか

 なぜ彼らは潰れなければならなかったのか――ミログ社清算の報を受けて、一番最初に感じたことである。

 経緯や詳細は、概ね分かっていた。曲がりなりにも、通信・ネットセクターのコンサルタントであり、またM&Aやバイアウト等の手伝いもしている。さらに本件は、現在私が最も注力している分野の一つである「個人情報・プライバシー」に、直接関係する問題だ。

 だから、当事者たちにインタビューするまでもなく、その背景や何が起きたのかは、大体分かっていたつもりだった。そして、したり顔で事情を説明しつつ、経過する時間の中でこの問題を私の中で過去のものとして片付けることも、可能だった。

 しかし、たとえベンチャーとはいえ、会社が潰れるというのは、やはり重大な出来事である。小さいながらも自分の会社を経営している手前、その重さや恐ろしさは、私自身も認識しているつもりだ。まして彼らは、受注失敗や資金繰りに行き詰まったなどということはまったくなく、むしろほんの1年前まで、巨額の増資を受け、人員も強化し、順風満帆だった。

 個人情報やプライバシーを商売の道具に使ったのが、いけなかったのだろうか。もちろんそれらの取り扱いには相当な慎重さが求められるのは間違いない。そして彼らがそうした慎重さに欠けていたことも、確かである。

 個人情報やプライバシーに対する関心が高まる中、そうした瑕疵に対して負わされる責任が重くなっていた。何がインシデントや対応の瑕疵が発覚した時、ベンチャーのような小さな事業体ではもはや背負いきれないほど、リスクプレミアムが上がっていたのかもしれない。

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ネットの罠

目次

Part 1 無料ゲームの落とし穴

立ち上がったグリー被害者 ソーシャルゲームの真実

[Image] カードバトル式ソーシャルゲームのイメージ

[Column] ネット企業に群がる“わるいやつら”

 

週刊ダイヤモンド
2012年6月2日号
定価690円(税込)

 

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