中国書記官:関連団体が資金集め…「農業特区」進出うたい
毎日新聞 2012年05月31日 03時01分
在日中国大使館の李春光1等書記官(45)が外国人登録証を不正更新した問題で、書記官が研究員として所属する民間研究機関の幹部らが、日本の企業に中国の農業特区への進出を呼びかけ、数千万円を集めていたことが捜査関係者への取材で分かった。書記官に「顧問料」を支払っていた健康食品会社(東京都)の社長も資金集めで中心的な役割を果たしたとされ、警視庁は書記官の周辺で浮かび上がる農業ビジネスの実態解明を目指す。
書記官名は30日の中国外務省の記者会見で公表された。
研究機関は東京都新宿区にある一般社団法人「アジア現代経済研究所」。登記簿によると学術目的の国際シンポジウム開催や留学生支援などを目的に10年8月に設立された。
捜査関係者によると、当初から研究所の幹部やメンバーとして名を連ねる健康食品会社の社長らが複数の日本企業に中国・陝西省の農業特区への進出を持ちかけたとされる。
書記官も企業への進出呼び掛けに協力していたという。警視庁は、外交官に個人的な商業活動を禁じたウィーン条約に触れる可能性もあるとみて調べている。