大飯再稼働:「安全性」地元要望に応え
毎日新聞 2012年05月30日 23時55分(最終更新 05月31日 01時25分)
大阪市の橋下徹市長は「安全の判断も暫定的なのか」と反発してみせたが、滋賀県の嘉田由紀子知事が「官僚も細野大臣の思いを支えて」と政府にエールを送る場面もあった。広域連合が発表した声明は政府に「適切な判断」を求めたのみで、再稼働の方針を事実上容認した。抽象的な文言とすることで、慎重姿勢を示していた大阪府なども最終的に妥協した。【笈田直樹】
◇関西広域連合の声明(要旨)
関西電力大飯原発3・4号機が定期検査を終え、再稼働の時期を迎えているが、関西広域連合は、東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえ、安全性が確認できなければ再稼働すべきではないとの立場から、政府に対し三度にわたる申し入れを行い、これに基づいて、5月19日と本日の広域連合委員会において説明を受けた。
(政府の)「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」は、原子力規制庁等の規制機関が発足していない中での暫定的な判断基準であることから、政府の安全判断についても暫定的なものである。従って、大飯原発の再稼働については、政府の暫定的な安全判断であることを前提に、限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める。