東京電力が6月1日から家庭向けに導入する時間帯別料金「ピークシフトプラン」の申込件数が、今月28日現在で110件にとどまっていることが分かった。東電は8月上旬までに15万件の加入目標を掲げている。夏の午後の電気代を高くするかわり夜間を安くするメニューの新設で、料金値上げへの理解促進と、夏の電力需給緩和の“一石二鳥”をもくろんだが、思惑が外れた格好だ。
通常料金は全時間帯一律なのに対し、同プランは、エアコン需要で電力使用量が最も増える夏(7~9月)の昼過ぎ(午後1~4時)の料金を通常の2倍にし、夜間(午後11時~翌午前7時)を半額にする。日中は留守がちで、タイマー付き家電などで家事を夜中に集中できる世帯は電気代が節約できる。
東電は今夏、原発ゼロで猛暑となっても4%以上の供給余力を維持できる見通し。だが、新たな時間帯別料金で日中の節電が進めば、割高な火力発電設備の稼働率が下がって燃料コストが減り、収支改善につながると期待していた。