箱根への小旅行(80)
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過去の検証から、事故が起こったと思われる昭和34年4月1日14:00頃、太陽はほぼ南西の方角にあったことが分かっています。 とすれば、その時間の影は太陽の反対側、北東の方角に伸びることになります。 プロジェクトXのDVDからキャプチャした事故現場の写真が「事故直後に撮影されたもの」という前提に立った場合、写真の対面に立つ方の影が落ちている道路は、その落ちている影の向きからして、「ほぼ真東から真西へ登る坂道」だった、という推理を組み立てていたのはすでにご承知の通りです。 これを、ネットから頂いてきた現場付近の衛星写真に当てはめて考えてみましょう。 ネットの衛星写真は、方角をいじらずに素直にキャプチャしてやれば自動的に真北が上になってくれますから、方位の特定は簡単です。 大観山レストハウスの衛星写真を見て、道路がほぼ東西に走っているところは、といえば、当てはまる部分は、ここになります。 …なんとぴったり合うところがあるもんじゃありませんか。 前はあれほど探して見つからなかったのに…。 Aさんから伺った、事故現場である右コーナーの立ち上がりの方向とほぼ一致しています。 では、次。 事故の際、秋山さんたちスピードクラブの面々は、椿ラインを湯河原方面から大観山山頂目指して登っており、相手のトラックは坂道を下って突然表れました。 そうすると、秋山さんのオートバイとトラックの進行方向はどうなるでしょう? こうなります。 なるほど。 では、この時にできる影の方向は? こうです。 これまたぴったりですね。 じゃ、この衛星写真に事故現場の写真を重ね合わせてみたらどうなるのでしょう? つじつまの合うものになるのでしょうか? やってみると…。 うわ…ぴったりだ…。 影も、トラックも、オートバイも…。 ではでは、この写真を撮影したカメラマンはどこにいたんでしょうか? ボンネットトラックのボンネット上部が見えるくらい高い位置から撮影されていますけれど? …この現場写真に写っている右手の土手の上から撮影したとすれば… こういう写真になります。 …。 おお。 …合ってる…。 すべてがぴったりと辻褄の合う位置に収まる…! (こりゃ、凄い…。) 腹の底から湧き上がって来る感情が抑えられませんでした。 (全部ぴったりじゃないか…。) なんと、あの現場写真から推測された状況のすべてが、ここが現場だったとすれば、実に美しく、ものの見事に一致するのです。 西から東へと登る坂道、その坂道に落ちる影の方向、事故発生時のトラックとオートバイの位置関係、写真を撮影したカメラマンの立っていたと思われる場所…。 まるで、長い時間をかけ、苦心惨憺して組み上げて来たジグソーパズルの最後のピースが、苦もなくぴったりと収まるべき位置に収まったような、達成感にも似た感覚が襲って来ました。 「ああ…。」 衛星写真を手にしながら、思わず声が出ました。 「…Aさん、ここですよ。間違いない、現場はここです…!」 言いながら、私は写真を持つ手が震えているのを感じていました。 「そうかね?間違いない?」 その私の言葉に、Aさんはそう返して来ました。 やはりAさんも「ここだ」と思いつつも、確証はなかったのかもしれません。 なにしろ事故が起こったのは50年も昔の事です。当時と現在とでは、きっと現場の様相は大きく変わってしまっていたのでしょう。 ここで間違いない、と、今ここにいる誰もが納得できる証拠がもう一つ欲しい、と思っていらしたのかもしれませんね。 私は、ここが現場で間違いない、と確証するに至った理由を、手元にある写真を元にAさんに懸命に説明しました。 が、残念ながらその説明は、恐らくAさんに理解して頂けるようなものにはならなかったでしょうね。 本日ここまでに至る前段階で、何を元にしてどんな方法で検証を行い、どのような推理を組み立てて来ていたのか。 そのすべてを説明するには、時間も資料も、私の頭の整理も足りませんでした。 そんな拙い私の説明で、「間違いない」と私が確信するに至った理由を、果たしてAさんにご理解頂けたかどうか…。 (Aさんには、後でもっと詳細な説明を差し上げることにしよう…) 昂ぶる胸の鼓動を抑えながら私は、試行錯誤の末に導き出した当時の状況の推理が、今ここで正しく現場を特定する根拠になっていた事に深い感慨を覚えていました。
そして同時に、足掛け3年に及ぶこの長い推理の旅程が、遂に終焉を迎えつつあることを、何とも言いようのない深い達成感と、なぜか不意に襲われた一抹の寂しさと共に噛み締めていたのでした。 |
トラックの位置に自動車を合わせるところに、執念を感じました!
2011/1/12(水) 午前 5:52
暖かくなったら、行ってみようと思います。現場を自分の足で歩いてみます。
2011/1/12(水) 午後 6:46 [ アミーゴ茶カブ ]
一番下の椿ラインを見下ろす写真を撮影したのは夏でした。
事故直後の写真は望遠レンズで撮影されたものと思われますが、この写真は携帯の広角レンズで撮影したものですので、若干遠近感が違うものになっているようではあります。
まあ、イメージはこんなもの、と思ってご覧頂ければよいのかな、と思います。
つい先日の日曜日にも朝早くにここまでやってきましたが、周囲にはうっすらと雪が積もっていて、道路が凍結しているところもありましたね。(@_@;)オーコワ
現場訪問は、アミーゴさんが仰る通り、暖かくなってからをお勧めいたします、ハイ。
2011/1/14(金) 午前 0:07