鈴木義一さん(3)
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過去2回の浅間レースや、マン島TT参戦を目指して開発を進めていたレース用エンジンからのフィードバックでチューニングのツボを心得ていたスピードクラブの面々が作ったマシンは、ワークスレーサーに近い、非常に高い完成度を見せていました。 レース前の車検を終えて練習走行が始まると、スピードクラブのマシンは他チームを圧倒するスピードで参戦する各クラスのトップタイムを奪取します。 これを見て収まらなかったのが、他のチームです。 「スピードクラブは、クラブチームの名を借りたホンダワークスであることは明らかではないか。なぜ主催者側は事実上のワークスチームの出場を受理したのか」 そういって、まずホンダのマシンのエンジンが市販車のものではない、とクレームを付け、調べた結果間違いなく市販車を元にしたものであることが判明すると、今度はフレームが市販車と違う、とクレームを入れ、スピードクラブをこのレースから排除しないならばボイコットも辞さぬ、と事務局側に強談を吹きかけて来ます。 「主催者の酒井はモーターサイクル出版の運営のためにホンダから多額の資金を出してもらっているのだ。だからホンダには甘い裁定しか下せないのだろう。こんなレースはイカサマだ!」 いきり立ったあるクラブチームのメンバー数名がヤクザの出入りよろしくトラックでレース事務局へ突っ込み、倒壊した建物の中にいた主催者側の事務局員が負傷する、という重大事にまで発展する事態となりました。 事態を憂慮した酒井氏は、スピードクラブのマシンに対し、「ワークスレーサーとはいえないが、本レースの趣旨と照らし合わせると、そのレベルを超えすぎている部分があると判断される」という裁定を下し、レースからスピードクラブとホンダの院外団的クラブのマシンを除外することで事態の収拾を図ります。 レース本戦の前夜、酒井氏はスピードクラブの宿舎へ赴き、面談を申し込みます。 この時、スピードクラブを代表してその酒井氏の来訪に応じたのは、主将だった義一さんでした。 酒井氏と義一さんは名古屋TT以来の知古で、その後モーターサイクリスト誌の取材などを通じ、交流を深めていた間柄でした。 酒井氏は現在の状況を義一さんに説明し、事態の収拾を図らなければならない酒井氏の立場を率直に吐露します。
「同じくモーターレースを愛するものとして、その発展に功績大であるスピードクラブをこの大会から排除するには忍びない。が、このままスピードクラブが本戦に出走することになれば、激昂している一部のクラブチームのライダー達の納まりは付くまい。抗議がエスカレートして暴徒と化し、日本のモーターレース史に一大汚点を残してしまうことにもなりかねない。そうなれば、せっかく点しかけた未来への灯火を自ら消してしまうことにもなってしまうだろう。それを私は恐れる。酒井個人としては断腸の思いだが、ここは一つ事態の収束のため、日本のモーターレース発展の百年の計のため、スピードクラブをこのクラブマンレースの賞典外とすることに、同意してはもらえないだろうか。」 |
この時、本田和夫さんが大声を出して大変だったと聞きましたけど。中には、西山さんの独断でスピードクラブを排斥したように言う人も居ましたが、とても不本意でした。僕の知らない時代の話なので何とも言えませんが、複数の人が色々な事を言いますけど真実はひとつなのだと思います。
2006/1/7(土) 午前 2:56
どんな裁定が下されたところで、全くどこの誰とも軋轢がないというのはあり得なかっただろうと思います。重要なのは、この事務局の裁定があったために結果的に大会は成功裏に終わった、ということではないですか。クラブチームを代表して大騒ぎしたという杉田和臣さんや本田和夫さん、それに排斥される側だった鈴木義一さんを初めとしたスピードクラブの方々も、結局は事務局の裁定を支持してそれに従った訳ですし。
2006/1/10(火) 午前 0:10
モータースポーツを愛する人の裾野を広げる、というMCFAJ創設の理念は、人々の心の琴線を震わせるに足る純粋なものだったのでしょう。この大会に端を発したMCFAJが現在に至るまで存続し続け、その中で長く酒井さんや西山さんが中心であり続けたという事実は、その理念が多くの支持を得るにふさわしいものだったということの証左だろうと思います。
2006/1/10(火) 午前 0:26
酒井さんに関しては、伝聞ばかりで実際にはよく知りませんが、西山さんは清貧な感じの人でしたね。メーカーから大金を貰ってるような噂がありましたが、お宅を見るとそんな事はないんじゃないかと思いました。だけど、お洒落な人でした。それと、ポケットに手を突っ込んでたりすると怒られたり、色々厳しかったです(-_-; 連盟のレースも、今年は富士で行われるという事なので、とても嬉しいです。やはり長いストレートと高速コ−ナ−は好きですね。
2006/1/10(火) 午後 2:27