社会

増える生活保護受給者 名古屋で4万5千人
(愛知県)
 生活に困っている人の最低限の生活を保障する生活保護の受給者は全国で209万人。生活保護は失業や病気などでどうしても働けない人にとっては生命線となるが、その一方で膨れ上がる費用も行政の課題となっている。29日、名古屋市西区の法律事務所で生活保護に関する電話相談が行われた。毎週2回の電話相談で、今年になってすでに120件を超える相談があるという。小田直子弁護士は「失業者の相談も増えたが、病気とか障害があって働けないとか、あと高齢者の相談が多い」と言う。名古屋市の生活保護の受給者は4万5000人を超えている。そのうちで最も多いのが高齢者、次いで傷病者・障害者の世帯で合わせて7割以上を占めている。一方、近年増えているのが40代、50代の失業者。大きな要因となったのが2008年秋のリーマンショック。名古屋市でもその後、生活保護の受給世帯が増加している。小田弁護士は「失業保険なども(支給まで)タイムラグがあり、解雇されてもすぐ貰えるわけではないので、生活できない。一時的にでも生活保護を受けざるを得ないような人がいる」と話す。さらに仕事を探す問題について、「なごやジョブサポートセンター」の長野美香センター長は「40代、50代の求人は数が減って厳しい」と指摘する。そんな中、名古屋市では仕事先を探す失業者のために再就職を支援する事業を展開。専門のカウンセラーに相談しながら働き先を紹介してもらうシステムで、長野センター長は「かなり強力に就職の支援はできていると思う」と話す。東海生活保護利用支援ネットワークの松沢良人弁護士は「相談内容で多いのは『自治体の対応が厳しくなってきた』ということで、本当に生活保護が必要な人が今後、生活保護を受けられないとことも懸念される」と話している。
[ 5/29 20:20 中京テレビ]